日本のフェミニズム
日本のフェミニズム / 感想・レビュー
おさむ
フェミニズムの思想が時代や語り部達によって大きく変わって来たことがよくわかる入門書。公娼制度の廃止、売春防止法、リプロ運動、レズビアン運動あたりまではなんとなく納得できるのだが、性の自己決定の話あたりになると、自分の内面にもまだ実は偏見が存在する事に気付かされます。韓国との慰安婦問題は完全な政治問題になってしまい、永遠に解決は無理そうです。ただ、当事者達の気持ちに思いをはせるとともに史実を丹念に調べたうえで自分のアタマで考えるようにはしたいと思う。
2018/01/10
とよぽん
2017年初版。まだ半年しかたっていない。ということで、最新の情報が盛り込まれている。編集者が明治19年(1886年)を日本のフェミニズムのはじまりとしたのは、日本で最初の女性団体「東京基督教婦人矯風会」が誕生した年だから。その後130年余りの日本のフェミニズムの歴史を振り返っている。いろいろな執筆者が書いたものを編集してあるので、切り口や視点は多様であるが、何か全体の統一感に欠けるような気がする。上野千鶴子さんを批判的に書いているのも気になった。
2018/05/15
山口透析鉄
これも市の図書館で借りて読みました。いわゆる概説的な入門書で、執筆者によって重点の置いているテーマ、当然違うのでしょうね。 今Twitterで仁藤愛乃さんたちを叩いているようなネットの有象無象は、こういう本、読まないし、読む能力、残念ながらないでしょうし、日本会議や統一協会/教会的なエセ保守では本当に如何ともし難い、と改めて痛感する部分がありましたね。 巻末等のガイドも良かったですが、うーん、笙野頼子さん、どうでしょうね……熟読すべきでしょうが……。
2023/01/15
suite
終わりの方は上野千鶴子批判で文章のスタイルにすっかり読み疲れた。そこに収束するのはどうなんだろう…誰が好きとか嫌いとか苦手とか全くないし、そこまで深く学んでいないからこそ、ケンカ腰の文章は読んでいてくたびれてしまう。なんというか、他人のケンカに巻き込まれて、当人同士でやってほしいという気分に…あまり内容に関係ない読後感が残った。実はその後ろの柚木さんの文章を楽しみに読み進めたのだが…キリスト教におけるシスターフッドのことはよく分からないが、女性同士の連帯はよく描いている作家さんだと思う。
2018/05/26
藤
フェミニズムは女性だけのものなのだろうか。例えばこの本が届く男性はどれだけいるのだろう。フェミニズムが性差の分断を深めることは目指す場所を思えばあってはならないのだろうと思うが、本書を読んで怒りと祈りを“加害者”である一部男性達に向けないことは難しい。シスターフッドで繋がれる私たちのものから万人のものへ。フェミニストの行く道程は先達が示す通りあまりに長いが、長いからといって歩まない理由にもならないのだと改めて感じる一冊。
2018/03/11
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