映像の論理
映像の論理 / 感想・レビュー
踊る猫
ヴィム・ヴェンダースの知性/インテリジェンスが冴え渡る。誰かと群れたりせず、単独で行動して思索を重ねる。世紀末に『都会のアリス』『ベルリン・天使の詩』、あるいはロード・ムーヴィーを発表し続けて映画界を席巻した彼の哲学は、しかし時代の趨勢に流されない(つまり今でもなお読むに耐え得る強度を孕んだ)ものだと言える。だが、バブリーな時代が終わってしまったこと、そして第二の『ベルリン・天使の詩』を求める期待を裏切れなかったことが彼の失速になったのか……と整理したくはない。今のヴェンダースの作品を追いたいと思わされた
2019/11/30
geromichi
ストーリーを構成するためだけでなく、映像そのものを志向すること、かっちりと固まった上で撮影に臨むのではなく、途中で偶然や思いつきのアイデアを得ながら映画の方向性を見定めていくスタイル。本書が思いのほか良かったので、河出の同シリーズを頑張って集めたいと思う。
2021/11/28
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