夢の視線
夢の視線 / 感想・レビュー
踊る猫
撮影する哲学者にして、移動し続ける映画監督。ヴェンダースの言葉は淡々としていて、政治について果敢に語られるがこちらを扇情しようとする色気や俗っぽさはない。日本の文学者で言えば、池澤夏樹みたいなスタンスだろうか。今回(ほぼ二十年ぶりくらいに)読み返して、彼の哲学は意外とロラン・バルトに通じるところがあるのではないかと思った。都市を語り、モードに言及し、もちろん映画を愛する。バルトをヴェンダースが読んでいたかは分からないが……翻訳は平易で、ヴェンダースの人柄が伝わって来る。ゴダールとの対話も貴重で読ませられる
2019/11/29
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