すべてのひとに石がひつよう
すべてのひとに石がひつよう / 感想・レビュー
(C17H26O4)
大地にひとりいる孤独感と、大地に抱きしめてもらっている安心感を同時に感じる独特の雰囲気のある画。太古の昔との繋がりを感じられるようでもあり、胸が高鳴った。「友だちの石を/持っていない/子供は/かわいそう。」「石をひとつ/見つけられるように/わたしの考えた/10のルールを/教える。」詩と画に促され、何故か静かに自分の内側を見つめていた。子供の頃、大切ないくつかの石を持っていた。何時しか失くしてしまったけれど。特別な石を今また見つけよう。「すべてひとに石がひつよう」そう思わせてくる不思議な力のある本。
2022/06/15
booklight
不思議と石が身の回りに集まってくる。キラキラした石英だったり、しっとりしたチャートだったり。ちょっとはまって仁淀川に石を拾いに行ったことも。なぜだろう、手に取ってつい身近に置きたくなる。「友だちの石を持っていない子どもはかわいそう」という感覚が、集まった石たちの向こうに感じる。石の中に描かれている少女がこっちを見ている。石にすっと引き込まれそう。そういったものと交流していつも手に持っているのは、一つの在り方としてあるのかもしれない。自分の少し先の感覚を教えてもらったよう。すべての人には必要かは?
2020/03/07
aiaimo`olelo
昔、私が子どもだった時。その記憶の中にはあちこちに石の姿が見える。田んぼの畦、泳いだ川原、探険ごっこの森の道。見慣れた道路のいくつかも、以前は未舗装だったはず。石を蹴りながら学校から帰ったこともあった。 「石は記憶装置、生きている小さな地球」。地球の歴史を重ねてきた石。そしてまた、この石たちは宇宙のどこかからやって来ている。私は宇宙とつながりながら、地球と共に生きてきていたのだ。石に触れると、手の中に悠久の自然を感じる。無限の彼方が広がる。石と一体となった時、私もまた宇宙と一体となるのだ。 大人向け絵本。
2021/07/03
yumiha
たかが石、されど石。自分を支えてくれ励ましてくれる物として石。その石を見つけるためのルールが、十か条述べられているが、そうやって探し求め選び抜くことこそ、自分の石だ!という特別感を醸成するんだろうね。訳者の北村耕平の「石は記憶装置」「生きている小さな地球」という言葉は、ほんまの石好き。
2017/12/13
masa@レビューお休み中
読友さんの紹介。普段なら、絶対見ないタイプの絵本なんだけど、こういう真面目なんだか、冗談だかわからないテイストも嫌いではない。自分に合う石を探すための十箇条を、もっともらしく紹介しているが、ふむふむと頷くところと、むむむむっと疑問思うところがあるのだが、突っこむ隙などなく、話はどんどん進んでいく。オチをどこかで期待してしまうのは、日頃読んでいる絵本の影響だな。そんなものは、ここにはないのですよ。(笑)
2012/04/11
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