いぬ
いぬ / 感想・レビュー
ヴェネツィア
ショーン・タン作。この作家にしては長い詞書が随所にあるが、訴求力が大きいのは絵だ。(本書では)一万五千年の昔から犬と人間の間には「深くて暗い河」があった。「誰も渡れぬ」その河を、どちら側からということなく越えたのは何時のことであったのか。タンの絵はひたむきにこの河を描き、そこには互いに圧倒的なまでの孤独がそれぞれにあった。邂逅が横断歩道の上というのは、いささか残念な気もするが、最後のページでは互いの影もあり、光がそこにある。犬を愛するすべての人に…強推薦!
2024/08/23
starbro
ショーン・タン は、新作中心に読んでいる絵本作家です。本書は、人間と「いぬ」との1万5千年の歴史を踏まえた 奥の深い大人絵本でした🐕🐶🐩 https://uresica.net/items/62dd044b4ba8b4089140bb13
2022/07/29
アキ
ショーン・タンの絵本。イヌとヒトの1万5千年にもわたる歴史。「かつて、わたしときみはまったくの他者だった。」人間への愛情はあの目を見ればわかる。それは長い時間を共に経過し、培ったもの。今では街に野良犬も見ることはなくなった。人間が作り出した都市という空間で犬が生きるためには、犬が生きやすいように人が配慮する必要がある。私たちが彼らによって救われてきたことは間違いないのだから。犬と過ごした記憶は誰にとってもかけがえのないものであると信じる。そして犬にとってもそうであったと信じたい。
2022/09/09
けんとまん1007
人間と犬の長い歴史。その関係性を考える。犬への思い。自分の中では、語り合える仲間という表現になる。
2022/10/04
☆よいこ
絵本。白いページに横書きで、人間の言葉と犬の言葉が交互に語られる。ある時「わたし」と「きみ」が寄り添う。「世界はぼくらのものだ!」長い年月がお通り過ぎる。見開きで左上に人間、右下に犬。時代ごとの風景の中で姿を変えていくふたり。そして、わたしたちはふとまたいっしょになった▽あとがきあり。犬と人間の関係性は長い歴史の中にある。未来もいっしょだろう▽犬好きに捧げます。
2022/10/13
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