Mの世界 (河出文庫)
Mの世界 (河出文庫) / 感想・レビュー
ゆ
著者曰く原点の三作品。「Mの世界」はカントの哲学をむき出しにして、小説というより思想が先行していて捉えるのが難しい。「体操教師」は他人と自分の関係をテーマにした作品。最後の心理描写がなんとも言えない暗さで印象的だった。「二十七歳」は「いちご同盟」の父の話がぴったり重なる。頑張っているじゃないかと思っているが、何処か自己中心的。少し難解だったが、三作品に渡ってかなり著者の特徴がわかった。
2023/09/14
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