異端の肖像 河出文庫
異端の肖像 河出文庫 / 感想・レビュー
那由多
4度目くらいの再読。思い返せば、この本がきっかけでルードヴィッヒ二世やジル・ド・レエやモンテスキュウ伯爵を知り、ヴィスコンティ映画を観るようになり、ノイシュバンシュタイン城に行き、『失われた時を求めて』を読んだのだった。いつかユイスマンスの『さかしま』とサン・ジュストの『オルガン』を読んでみたいと思いながら、未だ実行できていない。
2020/01/04
Tomoichi
一般にも名前の知られているルドヴィッヒ2世やローマ皇帝ヘリオガバルス、革命家サン・ジュストなど7人の「気違い」に関するエッセイ。ジャンヌ・ダルクとも共に戦ったジル・ド・レイの話はホラーです。「狂気」人は平等にこれを持つのか高貴がゆえに滅亡の一形態として現れるのか、精神の崩壊は破滅しか生まない。良い子にはオススメできません。18禁(笑)
2016/08/31
とんこ
20ゥン年ぶりに再読したけど、澁澤さんってこんな難しい文章だったかしら…?ある程度読み手の読解力と知識がないと振り落とされるような印象(何回も落とされた)。単に私が最近の読みやすく優しい文に慣れすぎてしまっただけかもしれません。 文庫版が昭和58年初版。学生時代読んだ時は「狂王ルードヴィヒ」とか「殺戮者ジルドレ」といった退廃的でアンダーグラウンドな史実にドキドキして読みにくいなんて思わなかったな。今読み返すと、読後に気になる人物をwikiで覗いたり別の楽しみ方もできてお得。
2022/12/02
双海(ふたみ)
澁澤龍彦を読むのは久しぶりな感じ。「二十世紀の魔術師(ロシア)」、「用事殺戮者(フランス)」が面白かったです。
2014/10/02
skellig@topsy-turvy
各々にとっての至高を目指す、眩しすぎる七人の異端記。大貴族詩人モンテスキウ、『ヴァテック』のベックフォード、子供の無垢と顕示に憑かれたジル・ド・レ、地中海の明るい頽廃を体現したヘリオガバルスなど強烈な破滅型人間たちの澁澤流スケッチ。「特にデカダン皇帝の章は若書きゆえ晦渋で閉口」と後書きでご本人は仰るが、読み手を弛ませない清々しい緊張を伴うゆえむしろ歓迎したい。薄いのに読み応えあるって嬉しい。
2013/05/15
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