花咲く乙女たちのキンピラゴボウ〈前編〉
花咲く乙女たちのキンピラゴボウ〈前編〉 / 感想・レビュー
kaoru
橋本治さんが亡くなったので読み返す。著名な男性で少女漫画を語れたのは寺山修司さんと橋本さんかな、と思う。「萩尾望都は金色の夢。永遠に滅び去った金色の世界。そして、萩尾望都は目を瞑った時、世界は滅んだのだ」といった名文が美しい。山岸涼子を語る「妖精王國女皇記」で名作『アラベスク』の登場人物カリン・ルービツを解説する鋭さに驚き、カリンが『妖精王』のクイーン・マブに引き継がれるという分析にも唸った。一時代を築いた漫画家たちに対するオマージュであるばかりでなく、優れた女性論でもあると思う。
2019/02/11
阿部義彦
とらじゃ、めりた、かりた、居ましたねえ。ムフフ。永久保存版の名著、この版にて初めて著者自身の手による後書きが付きました。買うしかないですぞ!すべての章で文体が違います。あなたの次の言葉はなあに?洞察力劣る!わかる人にしか分からない評論集。
2015/08/19
駒場
とりあえず山岸凉子論だけ。「日出処の天子」「天人唐草」しか読んでいないのを悔やんだ。/少年たちの性の始まりが快楽によって告げられるのとは違い、少女たちの性は単に一つの“事実”として始まる。それは唐突に訪れる忌まわしくも赤い血であり、脈絡不明に押し付けられたその“事実”がもたらすものは屈辱である/「天人唐草」が提出されることに因って、少女もまた性を持つという“常識”が読者の間に定着させられた/正当なものとして少女が性を手にした/
2012/09/24
還暦院erk
久々の再読。えらく時間がかかってしまった。第Ⅰ章倉田江美論。作品は持ってないがなぜか懐かしい…。第Ⅱ章で取り上げられている萩尾漫画は蔵書にかなりあるので、初期作品集から再読したくなってしまった。pp77-86あたり、橋本さんの戦後子ども(家庭)論の説得力が半端無い!第Ⅲ章は一転しておふざけ風文体で大矢ちきなどを題材にした評論。わたし、『おじゃまさんリュリュ』再読しすぎてコミックス傷んで買い直したなぁ昔。で第Ⅳ章、山岸涼子論。出た出た『天人唐草』!まぁこの評論だけは少々引っかかりを感じたかも。
2012/11/20
蒼1228
卒論で必要なので古書を探しまくってようやく発見! 後編と併せて読んで圧倒される。こういうやつが少女小説でも出てくれるといいのになあ
2009/12/13
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