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秘密結社の手帖 (河出文庫 121G)

秘密結社の手帖 (河出文庫 121G)

秘密結社の手帖 (河出文庫 121G)

作家
澁澤龍彦
出版社
河出書房新社
発売日
2010-08-03
ISBN
9784309400723
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秘密結社の手帖 (河出文庫 121G) / 感想・レビュー

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夜間飛行

秘密結社の鍵となる儀式、試煉、符牒を《子供の恐怖や夢や空想の復活》と見なす辺りいかにも澁澤だ。学術性はわからないが、本書の魅力は博引旁証に支えられた著者ならではの考察や空想にある。テンプル騎士団の二元論にグノーシスやカタリ派の血脈を見、薔薇十字団に古代オリエントの錬金術の影を探る。或いはまた、建築業組合に始まって薔薇十字の秘儀を継ぐフリーメーソン、民族運動起源のマフィアやウスタシ、あらゆる制度の崩壊を夢みるパヴァリア幻想教団…他にも異端結社や伝道師がぞろぞろ。世界史の裏側にはこんな風景が広がっていたのか。

2018/05/05

里愛乍

儀式、試煉、符牒。この三つこそ、秘密結社と一般の団体組織とを区別する決定的なポイントであろう。そんな出だしから始まる何やら怪しげな団体を紐解く…エッセイ?論文?興味が無ければ全く馴染めない内容を感心するしかない情報量で述べ上げてらっしゃいます。読み手の理解とかそういうのではもはや無いというか。ただ至る所に興味を引くワードや(例えばKKK団員とかマルコムXとか)随所に散りばめられた写真や挿絵が先を促してはくれました。読み終えた今は、内容よりも澁澤龍彦という人物にただただ感動するばかりでございます…

2018/03/08

ゲオルギオ・ハーン

アジアも紹介しているが、主に欧米の秘密結社を紹介した一冊。宗教的な面が印象深い。古代から現代までみても宗教的秘密結社の過激さ、性的な奔放さを求める点に大きな違いや進歩がないのは興味深い。社会的な規範に対する反発という面があるので国や地域による違いがあるように見える。フリーメイソンや薔薇十字団を短く濃い内容で説明しているので知識を整理することの役に立ったが、テンプル騎士団のオカルト面の知識を得てしまったため実態について疑問が出てしまった。別の本をいくつか読んで補完しなければ。

2023/06/28

メタボン

☆☆☆★ 世界には様々な秘密結社があったのだな。そしてそのほとんどがいかがわしいものだったとは。日本の秘密結社的な密教にかかる話をもっと知りたかった。ペラダンやクロウリーについても興味深い。

2023/06/05

びっぐすとん

108円本。ふぅ、読むのに時間がかかった。秘密結社といわれて思い付くのは「フリーメイソン」と「薔薇十字」くらいだったので、世にこんなにも秘密結社があったとは!西欧の歴史書で良く見かける「グノーシス派」「カタリ派」「ディオニソスの秘儀」がどういうものか良く解った。西洋だけでなくイスラムにもアジア各国にも異端化し秘密結社となった団体は多く、人が集まれば解釈は広がり、少数派は異端とみなされ迫害されてしまうんだな。完璧に理解できたわけではないけど、秘密にされると却って知りたくなる人の性、なるほど澁澤龍彦の世界。

2019/09/06

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