明治風俗故事物語 (河出文庫 752B)
明治風俗故事物語 (河出文庫 752B) / 感想・レビュー
紫
出版社の依頼から一ヶ月で書き上げたという1965年初出の明治面白エピソード集であります。全体に軽くてセンセーショナルなタッチで、下ネタやスキャンダル等々、明治の暗部の話題が多め。ただ当時の著者の姿勢は「それこそ熱に浮かされたように文献雑著に読み耽り、面白い話をメモしていった」というもので、考証的な正しさという点では怪しいところ。広沢真臣が薩摩人だったり、実在すら危ぶまれる遊女喜遊の自害が実話の扱いだったりでして、あちらこちらの本からネタを孫引きして一冊作ったのでは? 実話系週刊誌のノリで読むべし。星3つ。
2024/04/27
志村真幸
久保書店から1965年に出た『明治ニッポンてんやわんや』の改題・文庫化。かなり手が入れられているらしい。 明治の日本にまつわるネタの宝庫である。ザンギリ頭にどんな種類があったか図に示したり、最初の電信機が東京・横浜をつないだときのこと、新聞ことはじめ、人力車の発明、明治の元勲たちが家系を「捏造」して源平の子孫だと名乗ったこと、撃剣の流行、サーカスことはじめ、板垣退助と「自由は死なず」の詳細、いったん死んだと思われた老母が甦った事件などなど。 どれをとってもおもしろい。
2020/04/08
チャチャチャ坊主
面白かったです! 教科書に載らない事件諸々、明治の人たちの人情や考え方、戸惑いがよくわかって読んでいて楽しいご本でした
2018/10/12
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