伊藤晴雨物語 (河出文庫 201A)
伊藤晴雨物語 (河出文庫 201A) / 感想・レビュー
ヒロミ
ずいぶん前に読んだはずだが登録していなかったので登録。責め絵師で女体緊縛画(あぶな絵)の伊藤晴雨の半生を描いた、鬼六先生にはめずらしい官能的な場面のまったくない小説です。晴雨の狂気や悲哀が伝わります。まだお兼ちゃんとは出会う前の話…なのかな?(うろ覚え)エロ抜きだと鬼六先生、こんな感じなのかーと感慨深かったです。
2016/08/29
駄目男
伊藤晴雨なる人物を知ったのは、ここ2~3年前のこと、それも思わぬところからその名を得た。竹久夢二の愛人、お葉の経歴から晴雨にたどり着いたわけだが、意外なのはお葉の過去。藤島武二、伊藤晴雨、竹久夢二のモデルを務めたとあるが、この晴雨の画風が気になり以前から探していた本。晴雨は責め絵を得意とする人で簡単に言えばSM画家。著者は団鬼六、昔から団は官能小説作家として有名なことは知っていたが、しかし、責め絵の世界を芸術作品にまで高めた晴雨を書かなければいられなかったのだろう。責め絵が芸術のなかどうか私には解ぬが。
2018/02/25
巣々木
江戸東京博物館で展示を見に行くつもりで、予習として。解説で藤本義一が引用した、「探偵小説マニアが犯罪に興味を持つのと同様(中略)実生活において自己の変態性をいびつな形でむき出しにするということは、まずあり得ない」と主人公が確信するくだりに団鬼六のSMに対するスタンスが伺えしれた気がした。
2016/09/16
澤水月
921216
感想・レビューをもっと見る