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かぜのてのひら (河出文庫 た 1-4 BUNGEI Collection)

かぜのてのひら (河出文庫 た 1-4 BUNGEI Collection)

かぜのてのひら (河出文庫 た 1-4 BUNGEI Collection)

作家
俵万智
出版社
河出書房新社
発売日
1994-05-01
ISBN
9784309404141
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かぜのてのひら (河出文庫 た 1-4 BUNGEI Collection) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

俵万智さんの第2歌集。一世を風靡した第1歌集『サラダ記念日』から4年。万智さん24歳の早春から28歳の冬の終わりまで。『サラダ記念日』は、それ統体として鮮やかな恋の物語をなしていたが、こちらはいわばその後の彼女に起こった日常とささやかな非日常とを日記風に綴ったもの。ただし編年体ではない。恋、父の栄転、高校教師を辞めて創作に専念するまでを描く。ここでも感情の、一見ストレートに見える伝え方は巧みだ。「心散るならば満開の木の下でそっと言われたかったさよなら」―抒情も健在だ。気になったのは、後半がやや弱いことか。

2015/05/17

おくちゃん🍎柳緑花紅

無邪気という邪鬼ひそませて会いに行く好きだけだから好きだから好き/恋という遊びをせんとや生まれけんかくれんぼして鬼ごっこして/四万十に光の粒をまきながら川面をなでる風の手のひら/選択をするなら誰にも憎まれぬ国より一人に愛される国/目には見えない、心には見えるその歌の数々に酔いしれる。

2014/07/08

kaizen@名古屋de朝活読書会

#俵万智 #短歌 #現代女性歌人展 ここからは海となりゆく石狩の河口に立てば、立てば天啓 香水のびん落ちるとき黄金の獣のように液ゆらめきぬ ひかれあうことと結ばれあうことは違う二人に降る天気あめ 清流を飲みほしている我なりき未明四万十川の夢見る 海底に鯨の親子が鳴きかわすように心を結べればいい 雨のふる確率三〇パーセントだからでもなく傘を手渡す

2016/07/21

Shoji

最近、俵万智さんがちょっとしたマイブームです。 この歌集は一世を風靡した『サラダ記念日』の次の歌集だとか。 とてもピュアで綺麗な歌が綴られています。 こんなにも言葉遊びが出来たならどんなに素敵なことか、、、ため息。

2016/03/29

太田青磁

悲しみがいつも私をつよくする今朝の心のペンキぬりたて・葉脈の鋭き緑の翼にて天まで飛んでみたい一輪・食卓にすずらんの花ある朝は白いコーヒーカップと決める・四万十に光の粒をまきながら川面をなでる風の手のひら・あおむけに髪洗われて泡のなか私の頭蓋の形を思う・誤って消してしまった画面にはただ海底の青ほの光る・両耳に手袋をあて温めおり風の歌聴くかたちにもにて・定期券を持たぬ暮らしを始めれば持たぬ人また多しと気づく・山々の夏の目覚めに立ちあえば我もしずかに朝焼けてゆく・頬の雪はらいてくれる指先をたとえば愛の温度と思う

2014/05/20

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