日溜まりの水: ポルノグラフィア (河出文庫 た 3-4 BUNGEI Collection)
日溜まりの水: ポルノグラフィア (河出文庫 た 3-4 BUNGEI Collection) / 感想・レビュー
kashinamu
この本を読んでまっさきに思い浮かべたのは、吉行淳之介の短編「出口」だった。登場人物やディティール、短編と長編という違いはあれど、近親相姦と鰻というキーワードは、この「出口」から得たものではないだろうか。あまりに似通っているので読み終えた当初はこの「出口」に対するオマージュで書かれたのではないかと錯覚したほどだ。著者はすでに故人なのでその真相を問うことはできないが、着想の段階で「出口」は念頭にあったのではないか…ふと、そんなことを考えた。
ほたる
魅惑的で危険な官能の世界。鰻の描写が多かったことから、何故か田中慎弥さんの「共喰い」を連想させられた。
2013/11/19
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