猫のミステリー 新装版 (河出文庫 あ 7-1)
猫のミステリー 新装版 (河出文庫 あ 7-1) / 感想・レビュー
タツ フカガワ
鮎川哲也編集による11の掌・短編を収録したアンソロジー。急逝した夫との楽しく美しい思い出が徐々に変質していく南部樹未子「愛の記憶」は、ミステリーというよりスリラー色濃い一編。代々店は繁盛するものの店主は不幸に見舞われるのはこの家に居着いた猫の祟りか、という新田次郎さんには珍しいミステリー「猫つきの店」。ラジオから流れてきた「猫はどんなスポーツに関わりがあるか」というアナウンスに顔色を失う夫……時代伝奇小説家角田喜久雄さんの珍しい現代ミステリー(といっても1948年作)「猫」が、印象に残った作品でした。
2024/01/07
緋莢
猫嫌いの夫が檸檬色の猫を見たと言い出した。何度も繰り返す内に、妻の愛子も気になり始めて・・・(都筑道夫「檸檬色の猫がのぞいていた」)野良猫、ペルシア猫、泥棒猫に探偵猫まで、鮎川哲也が選んだ猫の登場するミステリ11編を収録したアンソロジー
2017/11/12
みぃすけ
ミステリーだけでなくショートショートやホラーっぽいものまであるバラエティに富んだ1冊で、予想以上に読みごたえがあって楽しめました。
2017/06/24
悸村成一
11編収録。E.ボウエン風な恐怖譚=新田次郎「猫つきの店」、警察小説の佳編=日影丈吉「「風邪ひき猫」事件」等、読みごたえがある。 99
2014/11/30
にんにん
いずれも、猫がどこかに登場するミステリーを集めた短篇集。ショートショートもふくまれているが、落ちはかなりレベルが高い。猫について半端にとろけるような猫派的蘊蓄が入っていないのがいい。鮎川哲也氏によるセレクトであるが、さすがという読後感。ただ、赤川次郎以外、戦後まもなくと思われる時代のストーリーが多く、感覚的に距離を感じる。また、どのストーリーにもタバコが出てくる。時代の記録としても価値があるかも知れない。
2012/02/03
感想・レビューをもっと見る