サトーリ (河出文庫 ふ 4-2 BUNGEI Collection)
サトーリ (河出文庫 ふ 4-2 BUNGEI Collection) / 感想・レビュー
harass
三編の短編集。どれも尖ってる。小説というよりも断片の集合。表題作の究極のプログラム?ドラッグ?を見つける薬物中毒者の主人公。彼に語りかけるいかがわしい禅問答のような会話と予想がつかない展開が良い。シーンの描写に相変わらずのキレがあり面白いが万人に勧められるものではない。個人的に80年代洋楽のPVを連想した。格好のいいシーンとアイデアが繋がって短い音楽の終わりに合わせてもっともらしく終わる動画だが、それから曲を抜いた感じ。前から感じていたがバロウズとブコウスキーとの作風を意識してあると解説で読んで納得。
2013/07/20
yozora
こういうものこそ小説と呼んで然るべきだ。
2018/03/14
訃報
ドラッグ、セックス、バイオレンス。アニメか漫画ならまだ面白いかもしれないが小説でやる意味があるのか。しかしこの世界観も今となっては逆に古くさいというか恥ずかしいような。ずっと現在形で、体言止めが多いのは、「いまここしかない」破滅的な若者の刹那をビートに乗せて描くためだろうが、この書き方は上手くやらないと文章が貧困に散漫になって、作者のイメージ・感覚を適切に伝えられなくなってしまうのでは。
2013/12/26
sibafu
94,5年発表の三篇所収。若くて尖ってて、粗い。でも未熟という言葉は似合わない。小説として拙いかもしれないが、痛々しい青さとハードボイルドな雰囲気が混ざっている。表題作の名前でもある「サトーリ」は作中の(プログラム的なデジタル?)ドラッグ。SF好きとしては目を見張る中編だった。ウィリアム・ギブスンの『ニューロマンサー』から始まり、『攻殻機動隊』、『マトリックス』などのサイバーな電子空間をイメージさせて、それが藤沢周の文体で書かれているものだからなかなかに新鮮だった。分かりにくいが「マイナス天国」も良い。
2013/05/22
baru2ini
表題作SATORIは尖っていると言えば尖っているし、イカれた世界と言えばイカれた世界かなー
2024/11/13
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