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蝶の皮膚の下 (河出文庫 あ 9-1 BUNGEI Collection)

蝶の皮膚の下 (河出文庫 あ 9-1 BUNGEI Collection)

蝶の皮膚の下 (河出文庫 あ 9-1 BUNGEI Collection)

作家
赤坂真理
出版社
河出書房新社
発売日
1999-05-01
ISBN
9784309405780
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蝶の皮膚の下 (河出文庫 あ 9-1 BUNGEI Collection) / 感想・レビュー

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skellig@topsy-turvy

薄いのに読むのに苦労した。感覚のままに垂れ流されていく文章は眼の前で電飾がぱちぱちしているようで、確かに存在しているのにあっという間に過ぎ去ってしまって、残るのはちかちかした残像だけ。自意識の水面が幾度も波立っては静かになるような気分。エンディングは水と蝶のイメージが華麗に響き合って美しかった。

2014/12/05

ミツ

「愛してあげる。愛してあげる。この霧のひとつひとつが私、ナノより小さな単位なのよ、あなたの中にイオン誘導されるの。」 何だこれ?こんなに衝撃的で混乱させられた小説はそうそうない。 セックス、DV、ドラッグ、精神病、ベタな内容だが、愛などの情緒は無く極めてソリッドで即物的かつ感覚的な情動に焦点が当てられる。 文章は支離滅裂で難解だが、決して誰にでも書ける文章ではない。 科学的記述が多用され、身体感覚の拡張と自我の消失、言葉による世界認識と物語化を主題としたSF、オカルトとも読める。傑作。

2010/04/29

さぼ

【非所有】④ 官能小説の皮を被ったポストモダン小説。身体(感覚)をフックにあれこれポモ的な論理が散りばめられている印象を受けたけど俺には軽く浅い印象だった。文章がうまいのでエロシーンばっかでげんなりしつつも最後まで楽しめて読めました。主人公の女性は何だかんだ「人間」だと思った。石川忠司の解説は悪くないとは思うけど正直微妙でした。

2010/07/14

うぇす

ホテルマン、ボクサー、錯乱 ○アルコール中毒の主人公のロマンスと見せかけて不安定な精神状態の描写が主な主題? ○やまなしおちなしいみなし。これこそ純文だ、と解説にも書いてありました。

2010/06/15

とみぃ

息をめいっぱい吐いて、プールの底で結跏趺坐組むあそび、むかしやったなあ。プールの底から見る空とかって、きらきらして、ゆらゆらして、水の中はほんと静かで、神秘的で、、この小説読んで、そんな感触思い出した。よくぞ、という密度で。言葉が違和感なく伝わるのって、私たちが使い慣れた言葉に、手垢にまみれた言葉に、安住し得るとき、とはつまり、私たちの身体とか感覚も、日常にどっぷり漬かっている、そんなときなんだろうなあ。日常とはちょっとずれた、そんな経験を書こうと思ったとき、たぶん、言葉の冒険がはじまるんだろうなあ。

2016/06/04

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