チョコレート革命 (河出文庫 た 1-6 BUNGEI Collection)
チョコレート革命 (河出文庫 た 1-6 BUNGEI Collection) / 感想・レビュー
masa@レビューお休み中
センセーショナルだ。まさしく革命という名がふさわしい。大人になった今読んでも、胸がドキドキ高鳴ってしまう。それは、至るところに仕掛けられたトラップのように連鎖反応を起こしていく。単なる独立した短歌ではなく、そこにある物語を紐解いているような感覚にさえなってしまう。ここにはきっと人には言えない想いが残り香としてまとわりついているにちがいない。そうやって読者を惹きつける。人の心を揺さぶるものというのは、そこに強い想いがあり、忘れられない感情がある。だからこそ、その想いや感情を言葉にたくすのではないだろうか。
2014/03/19
おしゃべりメガネ
最近、インスタや色んなSNSで『サラダ記念日』を見かける気がして、そちらは残念ながら手元になかったのですが、こちらはあったので読んでみました。歌集なので、サラサラとアッという間に読了でしたが、中には胸にグッとくる歌もあり、限られた文字数の中で、あんな一行にそんな深いモノをおさめてしまう俵さんに脱帽しちゃいます。特に恋愛モノの歌に関しては、唸らされてしまうモノも少なくはなく、ボリュームの割りになかなか印象的な一冊でした。懐かしく感じる歌もあり、若い方が詠んでもきっとわからないんだろうなと思える歌もあります。
2023/07/31
shio
バレンタインにちなみ再読。けっこう濃厚で1日遅れの読了。タイトルは「男ではなくて大人の返事する君にチョコレート革命起こす」から。曖昧で保身的な大人の言葉に反旗を翻すという気持ちだそう。赤裸々な言葉の数々にそんな想いが込められているのか。平成真っ只中のギラギラヌラヌラとした時代背景と共にチョコレート風味の言葉を味わいました。阪神大震災やマニラのスラムなど社会派の歌にはハッとさせられる。「施すものなどあるはずのない人たちから分け与えられ言葉を超える」「学校という語を甘きキャンディーのように発音する子どもたち」
2023/02/15
ももすけ
秘めたる恋に身に覚えのない方の人間だけれど、なぜ、そんな苦しい思いをしてまで?とは思う。それほどに、31文字に多くを見てとることが出来る歌集だった。短歌とは、硬い頭で読むより、自由に読むとより楽しめるなぁ。
2023/02/12
太田青磁
優等生と呼ばれて長き年月をかっとばしたき一球がくる・蛇行する川には蛇行の理由あり急げばいいってもんじゃないよと・年下の男に「おまえ」と呼ばれいてぬるきミルクのような幸せ・「気分」と言う割り切れぬ語で返事する我を許せよ我の気分を・一億総中流となり中流の我ら貧富の誤差にこだわる・思い切り見つめることの言い訳の小道具となる日もあるカメラ・十歳の少女の記憶に父として刻まれてきし君の十年・つり橋の真ん中に来て立ちどまるここから下ろしてみたき垂線・ぶらんこにうす青き風見ておりぬ風と呼ばねば見えぬ何かを
2014/05/28
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