マスードの戦い 新版 (河出文庫 な 8-1)
マスードの戦い 新版 (河出文庫 な 8-1) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
写真家の長倉洋海氏が1983年、100日間にわたってアフガニスタンでマスードと彼らムジャヒディーンの戦士たちに密着取材した記録。当時、アフガニスタンはソ連の侵攻を受けており、マスードはその抵抗ゲリラ勢力たる「北部同盟」の指導者だった。その生き方も、(風貌も少し)どこかゲバラを思わせるマスード。当時の(おそらくは今も)アフガン情勢は複雑を極めていた中で、決断力に富み、戦略に秀でていたマスードは「パンジシールの獅子」と呼ばれ、慕われていたようだ。その彼も2001年に、暗殺されてしまう。実に鮮烈な人生だった。
2017/07/28
ののまる
マスードがもし生きていたら・・・9,11も起こらなかったかもしれないし、今のアフガン情勢も中東情勢の変わっていたかもしれない。
2018/06/05
perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺
再読。原著は1984年で、2001年の文庫化に伴って一部加筆したもの。今年ともかくも終戦となった「アフガニスタン戦争」の前史とも言うべき内容で、当時アフガニスタンに侵略して来たソ連と戦う英雄・マスードについて100日間共に過ごしたフォト・ジャーナリストが書いた本。 彼らの視線から見ている、そういう本。彼らのゲリラ戦、そうした中での日常も書かれていて興味深い。何より人の命が軽い。それに見合う目標のためには軽くはないのかもしれないが、本音も少し窺える。→続く
2021/09/27
R
名著。「私が死ぬ時、それは神の意思だろう。ただ、その時までを燃焼するように生きたい。」マスードの言葉。合掌。
2012/07/12
竜王五代の人
1983年、30歳(!)の、ソ連と戦う若き英傑マスードとその周辺の人々(捕虜やソ連からの転向者含む)のルポルタージュ。精力的に事務処理したり陳情に応えたり指揮したり、しかも知識に貪欲で篤いイスラム教の信徒でもあり、魅力的な支配者の一つのモデルとなると思う。組織図やパンシール渓谷の地図もあるのも良。ここに、よく登場する周辺人物の一覧表もあればさらに良かった。なぜパンシールの獅子であって虎でないかも。 ところで、マスードは幸運という意味だというなら、日本語なら幸雄とかになるのか?
2020/11/16
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