血と薔薇コレクション 1 (河出文庫)
血と薔薇コレクション 1 (河出文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
1968年の創刊。執筆人は実に錚々たる顔ぶれだ。それを列挙するのが何よりも、この雑誌のすごさを物語るだろう。三島由紀夫、稲垣足穂、埴谷雄高、生田耕作、飯島耕一、種村季弘、野中ユリ、塚本邦雄、高橋睦郎、加藤郁乎、武智鉄二といったメンバー。もちろん、呼びかけ人たる御大、澁澤龍彦本人は、論考「拷問について」及びP.モリオンの『イギリス人』の翻訳を載せている。それにしても、よくぞこれだけの一癖も二癖もある奇人たちが揃ったものだ。時あたかも、70年安保の改定をめぐって騒然としていたときだ。ある種の世紀末であったか。
2014/11/28
双海(ふたみ)
復刻版で読了。表紙をめくると、「エロティシズムとは 死にまで高められた生の讃美である」というバタイユの言葉と共に「聖セバスチャンの殉教」(三島由紀夫)の写真が眼に飛び込んでくる。さすがは「エロティシズムと残酷の綜合研究誌」である。「血と薔薇宣言」も素晴らしい出来だ。カラーフォト・エッセイの「ダフネスとクロエ」が気に入った。とりわけ一枚目のクロエの裸体に心惹かれる。
2014/10/06
ゆーかり
まぁ、読んでみなさいと言われて、とりあえず読んでみた第一冊目。理解するより早く、目が止まらなくて困りました。雑誌を文庫化したもので、元々の雑誌の発行は1968年から69年。エロティシズムからホモセクシュアリティ、拷問、SMなど、数々の執筆者による作品は、私の想像力を逞しくさせた感があります。「血と薔薇」宣言で、「コンプレックスのあまりに少ない読者のためにはコンプレックスの新たな贈与を」と言われているように、目論見が成功したと言えるのかもしれません。永遠の少年性は今にどう引き継がれているのでしょう。
2016/08/06
ふくしんづけ
裏バイブルのような本。高尚の皮を被った幼稚性。いいじゃない。エッセイや詩や小説らしきものや。難易度は高めだけれど。だいたい面白かったけど、種村季弘や長沢節、小川徹あたりが特に面白かった印象。「あの時代からこそできたこと」。いつの世もマイノリティは抑圧されるものだけど、多様な価値観が認められる一方、倫理という名の言論弾圧のようなことも起きつつあって、それは矛盾を意識されることなく両立している。時代を飛んで蘇生すると願う。楽園を見る為ならば、誰も起きていない夜にこの本を開いて、精神の吸血鬼になろう。
2020/05/23
白米
斜め読み。吸血鬼が興味深い
2018/01/13
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