青空感傷ツアー (河出文庫 し 6-2)
青空感傷ツアー (河出文庫 し 6-2) / 感想・レビュー
いたろう
トルコ→徳島→石垣島、女子2人旅。3年勤めた会社を辞めたばかりの芽衣26歳と、芽衣を旅行に連れ出した、超絶美形だが、勝手気ままな音生(ねお)21歳。これは、果たして「感傷」旅行なのか。仕事を辞めた2人だが、旅先で、特に人生を見つめ直すという訳でもなく、心の充電をするという訳でもない、ただ人生ひと休みの、心の向くままの旅。そして、音生の強引さときたら。喧嘩しながらも、一緒に旅を続ける2人の姿がいい。旅行先の脈絡のなさが妙に可笑しいが、これは、単に柴崎さん自身が旅行をして、知っている先を舞台にしたということ?
2021/12/25
なゆ
芽衣と音生、女の子ふたり旅。大阪→トルコ→四国→石垣島と、特に目的もなくただ旅を続けたいフラフラ旅。それほど親しくないのに、可愛すぎる音生の頼みを断われない芽衣。というか、男女にかかわらず綺麗な顔に弱すぎて危なっかしすぎる芽衣!音生のわがままっぷりも相当だが、芽衣の振り回されっぷりもかなりで、よう喧嘩別れせんなー。読んでる私のほうがストレス溜まるやん。こういうモラトリアムな感じはさすがに共感は出来んけど、こんないきあたりばったりな旅を一度はしてみたかった。音生にも景色にも見惚れる描写力はさすが柴崎さんだ♪
2019/12/19
翔亀
デビュー三作目。前作(「次の街まで、-」)に続く、今回は女の子二人のロードムービー。一人は26歳だから女の子というのも変だが、当てもなく旅ができてしまうのは、女の子って感じがぴったりする。そしてこれは女の子の<眼>の話だ。「きれいなものを見るのが好き」な私が、誰もがつい注目してしまうほどに可愛い音生と、その見た目の可愛さだけに惹かれて一緒に旅をする、一見他愛無い軽い話である。一服の清涼剤として読むのに絶好ともいえるが、その音生を愛でる私の眼が、音生だけでなく、トルコのアナトリア高原の自然に対して、↓
2014/10/14
巨峰
柴崎さんのスタイルは2作目にしてかなり完成していたんだなと思わせる佳作。美しすぎる音生と面食いすぎる芽衣の女2人の道行きは、おもしろくもどことなく哀しい。つっぱっている音生がふと見せる弱さ・翳りに少し惹かれる。そりゃもてるわ。
2010/10/04
ちろたろう
久し振りの柴崎作品、安定のこの世界観。
2017/05/20
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