最後の吐息 (河出文庫 ほ 5-1)
最後の吐息 (河出文庫 ほ 5-1) / 感想・レビュー
ハチアカデミー
C+ 星野氏のデビュー作。メキシコに住む語り手が、離れた場所にいる彼女へ向けて小説を書く。その作品内で、イメージが、言葉が意味や輪郭を失っていく。一度書き上げられた作品は、彼女の返事によって書き換えられる。といったように、構造はなかなか作り込まれていて、それだけでも楽しめる。しかし、ラテンアメリカ文学や、シュールレアリスムなどの影響を受けながらも、しっかりと、小説に意志を持ち込む所が魅力。テクニックに翻弄されるのではなく、メッセージを、イメージを伝えるために小説の技術を利用している。堀江敏幸氏の解説も◎。
2012/02/27
駄々猫
食べることエロティックの融和を目指しているように思えるが、表現がクドすぎて、甘すぎて食べられない巨大なアメリカ製のパイを強引に詰め込まれているような気分に。そういう食べ物が好きなら良いが、私には辛かった。久々に途中で止めたくなった。表題作はまだしも、もう一作はもう・・・げろげろげろー。
2009/06/11
yoshi
読む人とタイミングを選ぶタイプの小説。終始、濃密なグアバの匂いが立ち上り、湿り気あるエロスを愛でるようなイメージの連鎖のような。話の内容は全く理解できていないけれど、理解なんて必要ないんじゃないか、と思わせてくれる筆力を感じる。よく言えば挑戦的、悪く言えば自慰的な作品なのかなぁ。
2020/11/03
miaoo
数年ぶりに再読。異国・メキシコの強烈な匂いや色や人々、平衡感覚のズレや受け取ったり変化したりする体の描写が好き。解説で堀江敏幸が述べている混血状態などは、正直なところ言語化できるほど理解できないのだけど、著者が目指すところを小説という形式で表現してくれたことが有り難く思えます。
2016/01/19
みほ
あちこちの感触がぞわぞわします。酔いました。ぴちぴちしている。
2015/02/26
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