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天球儀文庫 (河出文庫 な 7-26)

天球儀文庫 (河出文庫 な 7-26)

天球儀文庫 (河出文庫 な 7-26)

作家
長野まゆみ
出版社
河出書房新社
発売日
2010-08-03
ISBN
9784309407685
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天球儀文庫 (河出文庫 な 7-26) / 感想・レビュー

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しんごろ

前半は幻想的で宮沢賢治の世界を覗いてるような感覚に囚われ、後半、その世界から覚めたような現実的な世界に戻された感覚に陥る。そんな中、アビと宵里の壊れそうで壊れない確かな友情が素敵だった。この二人の友情、馴れ合いの友情でなく、友達になり始めたような常に新鮮な友情であってほしい。そう思わせるのは、長野まゆみが書きあげる風景、季節、独特の世界観だろう。風景、季節はもちろん、漢字の妙でひとつひとつの物が脳内に浮かびあがる。この世界観、すごく引きこまれる。長野まゆみワールドの虜になりそうだ。というか虜になった。

2021/09/01

mayu

三日月が漂う夜、野外映画の幕に映し出された星夜。沖合の観測船から二人で見るはずだった流星。天体への憧れ、日常の向こうにあるような幻想。二人の少年の出会いと別れ。離れて過ごしていたとしても、はじめて逢った日のようにきっといつかまた出会う。信頼の上に成り立つ距離、この時期だけの特別な友情。そんな長野さんの描く透明に煌めく世界に惹かれる。宵里とアビの関係は「天体議会」の水蓮と銅貨の関係にもつながる気がする。学生の頃、彼らの世界に近づいてみたくて、筆記具を真似してみたことを懐かしく思い出した。

2021/05/10

へくとぱすかる

むかしの4冊を合本としてはじめて再読。もし何の用意もなく、初めてこんな、長野まゆみ独特の世界を読んだら、果たしてどんな感想・感触をもつだろう。言葉の魔術! 一見とっつきにくそうな文章を読み込んでみると、そこには現実から最も遠いが、だけどまちがいなく、私たちの理想としての「垢抜けた」世界に囲まれる。テーマパークみたいな街の少年たちも、また理想化された物語を生きる。

2017/09/03

優希

1年に渡る少年たちの心の交流が丁寧に描かれていると思います。星の名前と共に語られる宵里とアビの美しい日常が輝いて見えました。宵里に魅了されてならないアビ。恋情とも友情とも違う不思議な絆があるのでしょうね。2人の心理描写が主で、大きな出来事はないですが、その分あたたかくてぬくもりを感じました。表現も綺麗で、物語の世界に浸るのが心地よかったです。いつかはじめて逢う日のために描く新しい日常。いつかまた2人が再会する日を願います。

2014/10/06

ブルちゃん

挿絵入りの単行本があるみたいで、そっちで読めたら良かった🥲長野さんの中でも純度の高い友情に感じる。まっすぐなアビとちょっと遠回しな宵里、すれ違ったりするのも、お互いを想うから🌟また初めて会ったときのように、出逢えますように🌟

2021/05/07

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