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英霊の聲 オリジナル版 (河出文庫)

英霊の聲 オリジナル版 (河出文庫)

英霊の聲 オリジナル版 (河出文庫)

作家
三島由紀夫
出版社
河出書房新社
発売日
2005-10-05
ISBN
9784309407715
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英霊の聲 オリジナル版 (河出文庫) / 感想・レビュー

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ヴェネツィア

光はあれども、昏き幽冥の彼方からやってきて、憑り坐しに現れた神霊たち。石笛の響きを伴いながら、怒りと慨きの聲々が繰り返す。「などてすめろぎは人間となりたまひし」。たった2度だけでよかったのだ。後は人間であっても。二.二六の時には、すめろぎが彼らの行為を「嘉納」した幻、そしてもう一つは彼らに「死ね」との下命を賜った幻がありえた。ところが弟神たる特攻に際しては、もはやそれもない。「などてすめろぎは人間となりたまひし」の怨念の叫びは、まさに修羅もののそれに他ならない。彼らは、こうして修羅を彷徨い続けるのだ。

2015/01/19

白のヒメ

226事件に関する三つの作品。世界に類を見ない2千年以上も続いている稀有なる皇室に対して、私も日本人としてとても誇りを持っているし、大切にも思っているので、三島氏の天皇という存在への思いには、シンパシーを覚える。良いか悪いかは別にして、三島氏の226事件への思い入れも理解は出来る。 それにしても「英霊の声」で霊媒に憑りついた霊の話す言葉の美しさといったら。 これぞ日本語の美と唸ってしまった。現代の作家で、果たして、このように美しい日本語を書ける人がいるだろうか。

2014/02/03

かおりんご

三島作品は、何度読んでも難しい。でも、言葉がとてもきれいで、こういう表現ができる人になりたいなと思う。憂国が一番心の響いた。軍人の妻たるもの、死ぬときは一緒。そういう気概が私には足りない・・・反省。

2013/11/23

やじ

英霊の聲、憂国、十日の菊(ニ・ニ六事件三部作)ニ・ニ六事件と私(エッセイ)の4編からなる。英霊の聲。三島の叫びなのか。憂国。切腹のシーン、リアル過ぎ恐ろしさに震える‥さながら体験してしまったかのような錯覚に。十日の菊‥この先どうなるの⁉︎‥まだまだ勉強不足ゆえ、いろいろ理解できず。いくら勉強しても理解できる気がしません。【などてすめろぎは人間(ひと)となりたまいし】この御英霊の方々が硫黄島の方々でないのが残念でした。

2015/03/24

ジュンコ

二・二六事件三部作。特に「憂国」は三島の美学の集大成。あまりにも美しすぎて、狂気を感じる。この青年将校とその妻の自決という短い話につけたタイトル「憂国」。国を憂う……1970年11月25日につながる何かを見た気がする。

2015/06/20

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