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二匹 (河出文庫 か 13-1)

二匹 (河出文庫 か 13-1)

二匹 (河出文庫 か 13-1)

作家
鹿島田真希
出版社
河出書房新社
発売日
2005-12-03
ISBN
9784309407746
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二匹 (河出文庫 か 13-1) / 感想・レビュー

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新地学@児童書病発動中

非常に面白かった。芥川賞受賞作よりこっちの方が好み。『二匹』というのは明と純一の動物的ともいえる関係を表すうまいタイトルだ。思春期の男同士の間にある友情とも愛情ともいえない微妙な空気を、ドキッとするぐらい巧みに描いていると思う。リアリズムの物語のように見えて、向こう側の世界へひょいと移行してしまう軽やかさも良い。明が純一に抱く感情はイエスの弟子たちがイエスに感じるものと似ている気がする。ぶっきらぼうでリズムのある文体もこの小説のテーマに合っていて感心した。

2013/10/23

sk4

心に刺さる作品というのは、今まで幾つか出会った事があるけど(『ミュージック・ブレス・ユー』とか『砂糖菓子の弾丸は撃ち抜けない』とか『クラゲの海に浮かぶ舟』とか)、桜庭一樹の図書紹介本にあったので読み、心にグッサリ刺さったこの本に再度出会い再読。 自分が手綱を握っていたと思っていたクラスの人気者の純一という【一匹の犬】。『印』というシステムから逃れる術としての白痴化、すなわち犬になることで痛みを逃れているのだということが解らない主人公の明は、完全なる犬になり切ってる純一に恐怖する。そして犬は【二匹】になる。

2013/12/22

ナマアタタカイカタタタキキ

二人は二匹へ、そして共同体へ──え?と初めから置いてけぼりを食うような出だしだったのに、何故だか一気に読んでしまった。私の狭量な読書経験の中では完全に規格外の作品。故に衝撃だった。何やらふざけたことを書き連ねては惑乱しようとしてくるけれど、一言で言い表せないが極めて重大な真理の存在を仄めかすようである。しかし、そこに関してははぐらかしてばかりで実質殆ど語っていない。ドーナツの穴のようである。如何様にも変貌しそうな危うさが終始付きまとう。丁度この年代があれこれ思いを巡らす未来予想図のようかもしれない。難解。

2021/10/07

絹恵

青い春の孤独が膿んで、病に罹ったけれど、罹患したからこそ孤独から救われた彼のこの幸福感をどう表すことが出来るだろうか。"自殺しろよ、お前。すぐ後追ってやるよ。どうせ俺が犯人にされて殺されるんだ。最高だよなあ、俺達のつながり方。地獄までご一緒ですってよ?奇遇ですわねえ"それは歪んだ愛の証明。一人は二人になった。そして駆けまわるその姿は、二匹。

2015/05/16

tomi

文藝賞受賞のデビュー作、鹿島田さん初読み。落ちこぼれの高校生同士の与太話が軽いタッチで描かれ、一見読みやすそうなのだが何が言いたいのか解らず。入り込めないまま、もう終わり? とりあえず裏表紙の「抱腹絶倒」は違うと思う。

2013/06/23

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