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愛別外猫雑記 (河出文庫 し 4-3)

愛別外猫雑記 (河出文庫 し 4-3)

愛別外猫雑記 (河出文庫 し 4-3)

作家
笙野頼子
出版社
河出書房新社
発売日
2005-12-03
ISBN
9784309407753
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愛別外猫雑記 (河出文庫 し 4-3) / 感想・レビュー

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ぶんこ

猫好きでも無い著者が、マンションのゴミ置き場に捨てられた猫8匹を保護し、去勢、避妊、病気治療、里親探しと孤軍奮闘する様子が壮絶でした。改行のほとんどない真っ黒な文章に、著者の怒り、悲しみが詰まっているようで怖かった。責任を取る気のない人ほど、見かけは穏やかで人好きがするもの。著者は責任感の塊りなのでしょう。見過ごすことができないのは辛いと思います。大鳴きする4匹の猫のため、マンションを引き払い千葉に戸建てを購入。天晴れ。この時から16年後の今、猫たちと著者は平穏な日々をおくられているでしょうか。

2022/03/15

きっちゃん

命と関わるのには覚悟が必要だし、生体販売に対する考えにも同意はするが、文章の読みにくさは最強だ。純文学作家の文体はアホな私には難しすぎた。句読点の存在を著者は知らないのか?ダラダラダラダラと・・・年に何冊かは後悔する本に出会うが未だ2月、心が折れた。

2017/02/19

a43

『S倉迷妄通信』の前のことか。わたしは迷妄通信は小説だと思っていたらしいが(感想から)これはエッセイだよね?読み直すべきか。笙野さんはいつもいろんなものや人と「戦っている」イメージだな。もちろん好んでではないと思うが。地域猫、外猫、野良猫がいる風景は和む、という間違った(?)イメージ。間違えだよね、やはり。青森で冬に子猫が外でひとりでいると、凍死するのではと不安になる。この夏は岩合さんの猫歩き展を見に行く予定だけど、いろいろ考えてしまう。笙野さんが猫好きなのでなく、友だちになったのが猫、とおっしゃってる

2015/07/14

ショコラテ

初作家さん。外猫と友達になった結果、東京下町から千葉の佐倉へ猫を連れて引っ越すことになった顛末記…なのだが、著者の描写がエキセントリックすぎて、100%真実なのか些か信じがたい。「キェーーー猫嫌いきらっきらっきらっ」と叫びながら、猫を蹴る中年女って…虐待以前に怖すぎる。読点の少ない文章も、ホラー小説の手法と重なって怖いし、著者が佐倉で猫と幸せに暮らしているのを祈るばかりです。

2012/10/31

rinakko

再読。外猫問題との格闘記。時系列を意識してこの作品を読み返してみると、笙野さんの怒りの射程が外側へと向かってぐっと伸びていく、その端緒ともなった経緯がこの一冊のなかに詰まっている…という印象が強い。そも猫好きではない、特に子猫が苦手で触ることも出来ない主人公が、外猫たちそれぞれの個性を知り、友として彼らを守り抜こうとする姿にただ打たれる。“その後の私には人間の多くが、ブリューゲルやボッシュを連想させる、地獄絵の化け物に見えるようになった。野良猫を見ていると都市の土地と人の暗黒面が実は見えてくる。”

2019/09/22

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