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源泉の感情 (河出文庫 み 15-3)

源泉の感情 (河出文庫 み 15-3)

源泉の感情 (河出文庫 み 15-3)

作家
三島由紀夫
出版社
河出書房新社
発売日
2006-02-04
ISBN
9784309407814
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源泉の感情 (河出文庫 み 15-3) / 感想・レビュー

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しーふぉ

三島由紀夫の対談集。小林秀雄との対談が為になった。小説に大事なのはフォームであると、形式と訳しては伝わらず、姿と訳した方がまだましだ。小林秀雄が三島由紀夫に対し、「君は才能の魔だね。堕ちてもいいんだ、ひるんだらダメですよ」と言ったところが何だか印象に残った。

2018/04/11

ちゃっぴー

小林秀雄、阿部公房、野坂昭如、福田恆存、石原慎太郎など文人との対談、興味深く読みました。このころから石原慎太郎は石原慎太郎だったんだ。「日本の芸能」では歌舞伎、能楽、長唄、浄瑠璃などの大御所と対談してます。あとがきでも「冷汗を流し格闘した、すんだあとで軽い脳貧血をおこした」と書いてましたが、三島の少しタジタジ感がでているのがよかったです。

2016/02/16

えりか

好きな作家同士(三島、安部)が対談なんて、興奮。面白かった。安部公房との対談で『僕』の三島が『おれ』になっているところ好き。今の自分の立場の矛盾。文武両道の必要性。戦後日本への危機感。『日本の芸術』で芸能の名士との対談で三島もあとがきで「参った。」言っているように、タジタジ加減も面白かった。『行動学入門』でも感じたけど、行動の最後に残したい思いはずっとあったんだな。p.109『その行動の軌跡は、そのときそのときに消えちゃって、そうして最後の一点だけが残る。その最後の一点だけが伝承されるということ』

2015/02/16

氷柱

872作目。7月6日から。天才たちのやり取りが記された一作。どんな間合いで、どんな表情で話し合っていたのだろうかと想像することで見えて来るものがある。結構な間も空いたりしたんだろうなと想像していたが、あとがきを読んでみた所、相手次第では喋りっぱなしだったというような記述があったので度肝を抜かれた。複雑な概念について話しているのに当意即妙に言葉が出てくることが自体が驚きだ。ちょっとでもずれたら会話がとんでもない方面に進んで行きそうだけれどその辺りのセーブがガッチリと効いているウイットに富んだ一作であった。

2022/07/09

Z

三島はやはり批評眼鋭い。戦前には非常事態法があったため、帝国憲法を利用するほうが右翼、無視するのが左翼だったが、戦後憲法(同時)は非常事態法がないため、右翼はクーデターができない。役人の文化政策とは、学校教育では歌舞伎に関心を持てないような教育をして、つまり古典殺しをしといて、その殺したやつを昆虫標本のように国立劇場で保管しようというわけだ。/19世紀のリアリズムは社会と小説が繋がっていたことに基づく、がそれが分離された以降の小説の有り様を三島は鋭く考察しており、マルローのような行動的な作風に惹かれている

2016/03/19

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