雪闇 (河出文庫 ふ 4-7)
雪闇 (河出文庫 ふ 4-7) / 感想・レビュー
chinayo
まあまあかな。
2019/06/16
sibafu
シリアスでニヒルな、藤沢周作品としては珍しく典型的な純文学だった。現実から逃げ続けるような、里に戻っていくような。東京の不動産業の企業に勤める高木は、故郷の新潟に出張しあるビルを買取にいく。そこで、音楽に狂わされる。音楽=青春と言ってしまえば、いい歳した大人が青春に舞い戻っていくような破滅的で虚無的な物語。新潟という土地、雪、荒波、祖母から受け継いだ三味線とその演奏技術。それらが独特の世界観を作り出す。高木とロシア人女性エレーナのセッション場面など、音楽の描写がとてもいい。単行本「ダローガ」からの改題。
2013/04/25
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