野ブタ。をプロデュース (河出文庫 し 14-1)
野ブタ。をプロデュース (河出文庫 し 14-1) / 感想・レビュー
s-kozy
「この本、面白いよ」というバトンが娘(お姉ちゃん)から息子(弟)へ、息子から私に渡され、リレーされてきた本。仲間に近づき過ぎず遠ざかりもせず、ちょうどいい距離間のぬくい人間関係を保つために、着ぐるみを着ているつもりで人気キャラ「桐谷修二」を演じる高校二年の俺。しかし、ふとした気の緩みから馬脚を現し、うまく築いてきたはずの俺のアイデンティティは崩壊する。思春期後期の自己が完成する直前の大人には成り切っていない男子の危うさがうまく描かれていた。本当は修二のアイデンティティなんて確立されていなかったんだけどね。
2016/09/27
アポロ
ある意味、現代版人間失格ぽい!桐谷修二が苦手なタイプだったからいまいち楽しめなかった!
2020/03/11
いしかわ
いつかやっていたドラマの'野ブタをプロデュース'とは全く違う作品だと言っても良いほど、私の知ってる野ブタでは無かった。自分自身を演じ、人間関係を徹底的に軽くあしらって'真実'なんて微塵も出さない人間関係は 確かに楽だが そこに何も残さない。ドラマはユーモアに溢れていたけど、この原作はさらっと読めてそして どよんと暗い。繋がりが薄いと、簡単に切れて 人は すぐに敵になる。こういう小説、なんか妙に胸が痛む。
2013/05/31
coco夏ko10角
ドラマと設定が違う部分があるとは聞いたことがあったけど、この結末にはびっくり。あのキャストのドラマでこのラストにするわけにはいかないだろうけど、小説としてはこういう終わり方も好き。あとWが娘。を卒業したり文部省だったり、色々思い出してなんだか懐かしくなった。
2015/02/20
白蓮
ズバリ、主人公の桐谷修二君にはベストセラーの『嫌われる勇気』を読むことをオススメしよう。人間関係って本当に厄介で難しくて微妙。思春期なら尚更。痛い目に遭わされて流血している自分を助けてくれないのは友達ではないのか?信じるとか、本当の自分を知っているとか、そんな抽象的なものでしか絆は太くならないのか?、自分のキャラなんて作り上げるものでも、演じるものでもないのだけど、そう気づくのはずっと年をとってからなんですよね。まだ17歳。自分の未来は変えられるさ、修二君、そんな重たい着ぐるみは脱いでしまえよ!
2016/04/10
感想・レビューをもっと見る