KADOKAWA Group

Facebook X(旧Twitter) LINE はてブ Instagram Pinterest

後悔と自責の哲学 (河出文庫 な 24-1)

後悔と自責の哲学 (河出文庫 な 24-1)

後悔と自責の哲学 (河出文庫 な 24-1)

作家
中島義道
出版社
河出書房新社
発売日
2009-05-30
ISBN
9784309409597
amazonで購入する Kindle版を購入する

後悔と自責の哲学 (河出文庫 な 24-1) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

テトラ

なんだろう、読み終えると圧倒的な切なさに襲われる。著者の経歴を知って読んだからかもしれないけれど、哲学を志すことの甘美と悲哀とはまさに本著に記された通りであろうと思う。後悔と自責。それらを避けて生きることなどできないならば、見ないふりをして押し殺すのではなく徹底的に見つめて向き合おうとする心を持ち続けたい。

2015/10/18

水色系

苦しみあえいでいる人に対する、自分は何もできないという自責の念。「なんで、私ではなくこの人が?」という問いに(それはそういう運命だったとか、たまたまそうなったんだとかで片付けるのではなく)真摯に向き合い続けることこそが「哲学すること」。後悔や自責から目をそむけず徹底的に向き合おうとする心を持ちたい。難解だった。数年後に再読したい。

2021/09/20

gecko

「後悔」とは「そうしないこともできたはずだ」という信念であり、これに伴って「自由」という概念が、そのとき自分は「自由であった」という「過去における自由」として立ち現れる。しかし、おびただしい「偶然」にまといつかれる中で、状況にまったく左右されない自由意志がそのとき作動していたかどうかはわかりえないのではないか。すべては「運命」だと思い込むことは癒しとなりうるが、強い後悔を打ち砕くことはできず、一回かぎりの出来事に対して「なぜだ?」という問いだけが残り続ける。大崎善生の解説含めエッセイ的な部分もよかった。

2022/04/04

ichiro-k

「悔いのない人生を送る」などと耳にする度に、居心地の悪い思いをしていた。そういう人間が現在まで「後悔・自責の念」に囚われずに生きてきたとは思えないし、将来、それを感じずに生きていくことができるとは思えない。そんなことを口にする人間を心の中で「軽い奴だ」と思いつつ我慢している。

2010/06/22

hiyu

冒頭の後悔への扱い方は非常に同意できる。運命にこだわりやすい自分には非常に耳の痛さを感じたところもあった。ピント外れなのだろうが、後悔と自己愛の関連性はどうなのだろうかと思いながら終える。こういう解説は非常に好き。

2017/09/04

感想・レビューをもっと見る