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走ル (河出文庫)

走ル (河出文庫)

走ル (河出文庫)

作家
羽田圭介
出版社
河出書房新社
発売日
2010-11-05
ISBN
9784309410470
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走ル (河出文庫) / 感想・レビュー

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5 よういち

ロードノベルというジャンルは大好きだ。しかし、この小説は解説の伊藤たかみ氏も言っているがロード・ノベルの定義とも言える旅の途中で出会う人とのやりとりや、出来事がほぼ出てこない。まるで普段の生活圏をそのまま持ったまま場所だけが移動しているという感じだ。恋人や友人にも嘘をつきながら走り続ける答えは出てこない。でもそんな無鉄砲な若さが羨ましい。◆高校二年生の僕は自宅で見つけたロードバイク・ビアンキで、陸上部の部活の途中から東京を離れる。親や友達、恋人にまでも嘘をつき、東北の日本海側を駆け抜け、青森へと向かう。

2021/08/15

ケイ

夏期休暇後のテストが終わる頃、多分今くらいの時期に、主人公はほほうっておいたロードレーサーを見つけ、磨いて乗ってみる。そして、そのまま走り続けちゃうのだ。信じられない距離を。高校生なら、あってもいいと思う、こんな話。景色の移り変わりの描写とか見るに、実際に乗ってみて描いたんだろう。まだ免許取れない年齢だからこそのことを書いたんだろう。ただね、いきなりそんなに走る筋肉はないだろうし、替えのタイヤも持たずにそんなには走れないよ。あまりに机上の空論話じゃないかなあ。

2015/09/07

巨峰

ロードムービーってのは、旅先の人との触れ合いの中で、どこかしら成長をする姿を描くものだけど、この小説は、それがまったくない。それが羽田さんらしいと思うし、新鮮。時代は山田洋次じゃないのですよ。ストイックなまでに自分自分自分。今の時代結構共感する人多いのではなかろうかと、興味深く読んだ。高校生の男の子がふと手に入れた自転車で、授業も、部活も、家族も、友達も、彼女も放置して、北へ北へと向かう話です。なかなかの小説。お勧め☆

2016/08/17

まーちゃん

朝練の後、乗っていたロードバイクでそのまま東京から青森まで北上、1000Kmを旅する男子高生の5日間。彼は友人、彼女、同窓会で再会した幼馴染み、家族とメールのやり取りをするのみで、旅先で人と会話することもほとんどなく、ひたすらロードを漕ぎ続ける。「それで?」となりそうな話なのだが、昔、短い距離のロードツアーに混ぜてもらったり、徹夜しながら200Km近く歩くイベントに参加したりしていたので、夜中の国道や海岸線を見ながらの移動、お風呂の喜び等、懐かしく楽しく読むことができて、面白かった!(^-^)

2015/09/22

J7(読メ低浮上中)

読み友さんの感想にて、青く疾走する自転車の表紙と、内容から期待して読みたくなり購入。やっぱり、平凡な日常を飛び出して非日常への旅要素がある本はどんなものでもワクワクする。思っていた以上にクール&ドライな文章だけど、それで細かく描写された自転車のディテールと風景がリアルに、旅の映像を想起させてくれる。自転車で出かけたらいつのまにか日本半周なんて、突拍子もないけど、遠出をしていて何故かずるずると、もっと先へ先へと行ってしまう感覚は自分も似たような覚えがあり、なんとなく共感できた。あっさりとした幕切れも好み。

2017/10/08

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