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やさしいため息 (河出文庫)

やさしいため息 (河出文庫)

やさしいため息 (河出文庫)

作家
青山七恵
出版社
河出書房新社
発売日
2011-04-05
ISBN
9784309410784
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やさしいため息 (河出文庫) / 感想・レビュー

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まひと

青山さんの作品は不思議だ。ただ淡々と日常を描いているかと思えば突然ハッとする場面が出てくる。社会人五年目で友人なし、恋人は三ヶ月前に出ていったばかりのまどかの前に四年間行方知れずだった弟が現れる。毎日姉の観察日記をつける風変わりな弟と、毎日の出来事を嘘を混じえて弟に伝える姉、そんな二人の生活。主人公・まどかに共感するところが沢山あった。私の日常も同じ日々の繰り返しだなぁと。観察日記なんか付けられたらたまったもんじゃない。でも誰かの観察日記は見てみたい(笑)短編の『松かさ拾い』も好きでした。面白かった!

2016/02/29

とりあえず…

青山さんの本、初めて読みますが、好きな匂いがぷんぷんします。お気に入りの作家さんがまた一人増えたかも。 人との距離感がわからなかったり、人付き合いが苦手な人なんてわんさといる。それを緑君のようにふっきってしまえてれば楽だけど、普通はそうはいかない。だから悶々と考える。 とまぁ、こういう感じで、これといった起伏のない内容が嫌味のないさらっとした文章で綴られています。 併録の『松かさ拾い』も磯崎さんとの対談も興味深く楽しめました。

2014/07/20

ぽぽ

弟が綴る姉の日記。それはほぼコピー&ペーストの毎日。生活さえできれば良いなんて強がってみるけれど、本当は変化や刺激も欲しい。一歩踏み出すのなんて簡単なのに、どうしてややこしく考えて動けなくなってしまうのだろう…主人公にピタッと共感できる部分がたくさん。別に答えが示されるわけではないのだけど、なんだか安心した。好き。もう1つの短編、「松かさ拾い」も気怠い空気感が好みだった。

2018/06/22

エドワード

息をするように嘘をつく、という言い方がある。やさしいため息とは、嘘のことだ。派遣会社のまどかの前に、四年間行方不明だった弟の風太が現れ、いく所がないから泊めて、という。風太は毎晩、まどかにその日の出来事を聞いて日誌をつける。献血だの郵便局だのプリンターだの困ったお客だの、代わり映えしないまどかの日々。いつも嘘で断っていたランチや飲み会、終電で帰る週末。弟の手前で見栄を張っても誰も咎めまい。誰でもつくそんな嘘。風太の友人の緑(男性)にときめいてしまうまどかが愛しい。「松かさ拾い」は淡い三角関係が透ける掌編。

2020/12/29

coco夏ko10角

今まで読んだ著者の作品の中でもこれ結構好き。弟、親、会社の人、緑君…色んな人との距離が伝わってくる文章がいい。後半で緑君が言ってること、分かるなぁ……。自分が働いてた頃を思い返すと、風太が書くまどか観察日記はそんなに平べったくないような気がするのだが…(嘘部分除いても)…みんなそんなに毎日色々あるのかな。 最後の磯崎憲一郎さんとの対談も良かった。

2015/01/26

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