小川洋子の偏愛短篇箱 (河出文庫)
小川洋子の偏愛短篇箱 (河出文庫) / 感想・レビュー
青蓮
読友さんのオススメより。小川洋子さんが「奇」「幻」「凄」「彗」に分け、拘りで選んだ16作品を収録。それぞれに解説エッセイつき。作品のチョイスが非常に洋子さんらしい。この中で読んだことがあるのは乱歩の「押絵と旅する男」のみで他は全て初読みでした。どれも個性的で癖のある作品ばかりで、とても楽しく読みましたが、中でも金井美恵子の「兎」が強烈。彼女の他の作品も読んでみたくなりました。牧野信一の「風謀結婚」、向田邦子の「耳」、三浦哲郎の「みのむし」、田辺聖子の「雪の降るまで」も好みでした。洋子さんのセンス、好きです
2017/12/10
酔拳
小川さんが愛してやまない小説を集めた小説集です。この本には16編の小説が収められています。どれも、視点が不思議で奇妙な感覚がする小説が多いですが、心にぐさりと突き刺さるものがあります。小川さんの小説に繋がっているものがあるなぁーと感じいりました。特に印象に残った小説は「押絵と旅する男・江戸川乱歩」「兎・金井恵美子」「耳・向田邦子」「お供え・吉田知子」でした。この本は、小川さんの小説への「愛」が詰まった本だとおもいます。もう一つ、陶酔短編箱も出版されているので、いつか読みたいです。
2019/03/04
優希
小川さんが愛する物語の数々。一筋縄ではいかず、癖の強い作品が多い印象を受けました。濃密で面白い作品を色々読めて楽しかったです。
2023/05/26
こばまり
既読も数編あるが、このように編まれると改めてわくわくする。特に田辺聖子氏『雪の降るまで』は、これまでその生臭さが好みであったが、小川氏のフィルターを通すとまた違った一面が見えてきてなんとも味わい深い。
2022/07/06
HANA
アンソロジー。既読の冒頭二編「件」と「押絵と旅する男」が幻想系だったので、それ関係を集めたものかと思ったが残りは人生の一断面を切り取ったような作品が多いように思う。それでも血とエロスにまみれた「兎」や段々と気味の悪さが募ってくる「お供え」、何となく主人公の気持ちがわかるのが嫌でしょうがない「風媒結婚」等、一読して忘れ難い作品が多かった。ほとんどの作品が初めて読むにもかかわらず、一度読み出すと作品の終わりまで巻を置くを能わざるものばかりで、編者の鑑識眼の高さは流石というべきか。
2013/02/11
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