むかしの汽車旅 (河出文庫)
むかしの汽車旅 (河出文庫) / 感想・レビュー
さっと
文豪、歌人、紀行作家らが綴る鉄道アンソロジー。先人たちが何ヶ月かでまわった足跡を「出来るだけ早く汽車で一巡して来て見よう」と思い立つ高浜虚子(汽車奥の細道)、「ある意味に於いて停車場は土地そのものの象徴と云ってよい」とする岡本綺堂(停車場の趣味)、「船でも車でも、動いているものに乗って、身体を揺られる」と快感をもよおす永井荷風(深川の唄)、鉄道旅の一期一会に「そのままお互いがお互いを忘れ果てて行くのでしょうか」と呟く林芙美子(シベリヤの三等列車)、石川啄木の函館本線、伊藤整の千歳線はいまも元気です。
2022/12/31
barcarola
鉄道に纏わるアンソロジー。よく集めたなぁというのが一番の感想。まぁ、30編もあると(背景がわからないためだろうか)理解が追いつかない作品も。
2022/12/24
ようこ
読みやすいのから読みにくいのまで30編の汽車旅についての短編集。巻末をみながら書かれた時代をチェックしつつこの時代の旅はこうだったのかと想像するのが楽しい。個人的には泉鏡花の左の窓と石川啄木の雪中行が印象的、芥川の蜜柑は別格。編者のオススメは牧野信一の熱海線私語だとか
2012/07/15
nonicchi
林芙美子のエッセイが読みたい…と思い、辿り着いた「シベリアの三等列車」。「いだてん」でシベリア鉄道のシーンがあったのでイメージし易く、乗客との交流から当時のソビエトの問題をはからずも浮かび上がらせた文章は流石でした。明治から昭和にかけての文豪・小説家達が残した、おそらく本書でなければ読むことのなかったであろう(牧野信一など)、全編に出久根達郎氏の選択眼のいきとどいた一冊。岡田喜秋の「伊那谷の断層」は思わずかの地に行きたくなったほど。ここの文字数ではとても書きつくすことが出来ないのが本当に残念。
2020/01/25
まめとら
少し読みにくかったですけど、林芙美子さんの「シベリアの三等列車」など、当時の人々の様子がわかり、面白かったです。
2015/09/17
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