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ミューズ/コーリング (河出文庫)

ミューズ/コーリング (河出文庫)

ミューズ/コーリング (河出文庫)

作家
赤坂真理
出版社
河出書房新社
発売日
2013-03-05
ISBN
9784309412085
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ミューズ/コーリング (河出文庫) / 感想・レビュー

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ちぇけら

舐めて。かきまわして。白いミューズの匂いのする手手手手手で。先生に触れられて、はじめてわれめができたみたいに、たくさん濡れた。縛って、荷物みたいに。先生にぜんぶ捧げる。私は先生のなかにいて、マニキュアはとても赤い。「セックスは、始まりでなく終わり」先生は、優しかった。終わりたくないのに離れない、体と体はつながったまま。先生は私と凹凸だけでつながろうとした。私は、ミューズ。美神。先生の娘の声が聞こえる。私はただ脚を開いてるだけ。バカね先生が見てるのはただの分裂した粘膜。私は雨に打たれて、濡れた。

2019/01/17

skellig@topsy-turvy

冷たいのに、時に人の体温を感じる水流めいた語り口。個人的にはかなり好きな題材の短篇ばかりだったので要再読。歯と自己を結び合わせた話が目立つが、分断・刻印される自分、という解離イメージが全体にあるような。女性と介護士の、自傷を通じた不思議な繋がり「コーリング」、自分を持て余す「最大幅七ミリ」あたりが特に好き。

2013/07/16

さの棒術

登場人物の感情は想像もできない。でも感触は伝わってくるし説得力がある。ほんの一瞬の、それこそ刹那に湧きあがってくる感触を、記憶の底から呼び覚まされる文章に驚く。心ではなく間違いなく体。体と言っても神経を伝って脳で知覚する感覚ではなく、細胞レベルで感知する感触だ。自分の細胞やDNAを意識させられるし、そこに宿る目に見えない、心でも感じられない深い意識。もしかしたらそれが魂なのかもしれない。或いは生命。それを言語化できるこの作家の才能には驚嘆する。

2016/10/11

sukoshi...

★★★

2022/01/03

Yokosuke

目で追うだけで、心と体に痛くて苦しくて気持ちいい感触を味わえる。

2016/06/07

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