島田雅彦芥川賞落選作全集 下 (河出文庫)
島田雅彦芥川賞落選作全集 下 (河出文庫) / 感想・レビュー
優希
輝かしき芥川賞落選の作品を楽しみました。少々疲れ気味になりますが、相変わらずそのユーモアを感じます。作品の数々は出典当時には早すぎたのかもしれません。自覚的で技巧的で現実離れした作家、それが島田雅彦という作家ということに気づかされました。
2020/06/24
佐島楓
島田先生は作品を文字通り作り上げることに自覚的な作家であり、初期作品に特にその技巧が見られる。この頃の作品は意気込みすぎというか、肩に力入りまくってます、というところが見えてしまい、読んでいるこちらもちょっと疲れる。ともあれ登場した時代が少し早かった作家なのかもしれない。当時の評価が追いつけなかった部分はあるのだろう。
2019/01/03
優希
上巻以上に癖のある作品がおさめられていました。さすが輝かしい芥川賞落選作品ですね。作品発表当時が時期的に追いついていなかったと言っても良いと思います。前衛的で現実離れしている、それが島田雅彦という作家の「味」なのかもしれません。
2023/01/23
佐久間なす
芥川賞に6回ノミネートされたが、全て落選した島田雅彦の初期傑作集。下巻には「僕は模造人間」「ドンナ・アンナ」「未確認尾行物体」の3作収録。3作中で特に強く印象に残ったのは、「僕は模造人間」。 悪久間一人という存在を、自分で客観的に見て批判する姿勢というのは、もしかしたら私にもあるかもと思いました。 共感できたり、この時代はこのような感じだったのかと知れたりしたので、過去の文学を読むのもいい読書経験だなとこの本に収録された3作品を読んで感じました。
2015/02/07
Mark.jr
過去6回芥川賞の候補になり、それに全て落選し、さらに内5回が受賞作なしだった(いじめと著者がいうのもむべなるかな)作品を集めた本です。どの作品も電波な登場人物たちと現代社会のズレを主軸にしたものですが、それ以上に今読んでも強烈なのはとてもサブカルチックな言葉使いでしょう。個人的なお気に入りは、個性的な登場人物に斜め上にぶっ飛んだストーリーなど、舞城王太郎の作品と並べても遜色のない「夢遊王国のための音楽」。
2019/08/26
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