軍師の境遇 (河出文庫)
軍師の境遇 (河出文庫) / 感想・レビュー
キムチ
大河ドラマは見なかったけど、かつて読んだ史実をなぞる、そんな感じでさらっと読めた。軍師、官兵衛・・まるで姓と氏。さほどに後世でも評される名軍師だろう。史実に味付けをするのは作家の手練手管。清張が珍しくけれんみ感じない味付けで描くこの作品、珍しいことに高校生向けの一作だとか。そのせいか信長ですら、司馬遼で確立した味付け以前の風味になっている。官兵衛の登場を秀吉の中国攻めの時期にし、風にそよぐ葦のような小大名の憂き運命に光を当てていく。有岡城攻め、土牢からの脱却、吉川と清水の最後など何度読んでも妙味を感じる。
2015/10/29
kiki
播州城主の小寺家に使えた黒田官兵衛。毛利方が優勢と見られる中、織田方につく事を進言した。特に目をつけたのが羽柴筑前守秀吉でいずれは天下取りできるほどの力を見抜く。信長の死の際は、秀吉に「運が開けた」と進言して天下取りを実現させた。秀吉が警戒と疑惑を持ったため隠居したが、真の力を発揮すれば天下取りも夢ではない男。この軍師黒田官兵衛の境遇を描いた作品。
2017/10/16
なにょう
岡田さん目当てで「軍師官兵衛」も視聴していたが、よそ事をしながら流し見をしていたので、この本を読んで、ようやく黒田官兵衛の偉さがわかった。★①「有岡城の幽閉」と「中国大返し」は二大クライマックスだ。①幽閉されて死んでもおかしくなかった。でも復活した。単純にすごい。②中国大返しは成功したからよかったものの。毛利の追撃はあり得たし。官兵衛の頭脳と秀吉の行動力には恐れ入る。
2023/06/24
裕由
たぐいまれな才能の持ち主。有岡城幽閉は確かに不運だが、軍師の境遇としては不運だったろうか?
2018/08/31
きみ
大河ドラマの予習の為に読んでみました。松本清張が歴史物を書いてたなんて知らなかった。高校生向けに書かれたものだそうで、分かりやすくて読みやすかったです。
2014/01/01
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