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澁澤龍彦訳 暗黒怪奇短篇集 (河出文庫)

澁澤龍彦訳 暗黒怪奇短篇集 (河出文庫)

澁澤龍彦訳 暗黒怪奇短篇集 (河出文庫)

作家
澁澤龍彦
出版社
河出書房新社
発売日
2013-08-06
ISBN
9784309412368
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澁澤龍彦訳 暗黒怪奇短篇集 (河出文庫) / 感想・レビュー

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青蓮

長らく積読でしたが、漸く読みました。怪奇、恐怖、神秘を主題に澁澤龍彦によって選ばれ翻訳されたフランス短編小説集。「草叢のダイアモンド」「罪のなかの幸福」「仮面の孔」「ひとさらい」「死の劇場」「最初の舞踏会」収録。面白かったのは子供が出来ない紳士が子供を拐って養子にする「ひとさらい」、人が死ぬ瞬間を見物する「死の劇場」、舞踏会嫌いな少女が友達のハイエナを身代わりにする「最初の舞踏会」。

2015/10/09

優希

澁澤龍彦が選び、翻訳したフランス文学の数々。澁澤選なので、怪奇、恐怖、神秘の要素が色濃く感じられました。いかにも好みそうな作品ばかりです。この作品のメインとなるのは矢張りシュペルヴィエルの『ひとさらい』でしょう。子供を何人も連れ去り、一緒に住む奇妙な紳士の理性と欲望、夢と現の狭間で引き裂かれそうになる様子が生々しく、滑稽に描かれています。紳士であるからこその自我の交錯が面白い。他の作品もそれぞれにいい作品ですが、偏りがあるので「怪奇」を純粋に求める作品ではないですね。

2015/10/14

sin

暗黒でも怪奇でもなく、因縁観念短篇集か?森羅万象に抱く渇望に基づく自然界の描写と、人間至上主義のうえでの人間観察に基づく人物描写の数々…フォルヌレ・ただの偶然が因縁めかして語られる。ドルヴィリ・卑劣漢と美丈夫な女性。ロラン・ただの夢想落ち!シュペルヴィエル・独り善がりな男の一人芝居!マンディアルグ・儀式としての公開模様を死の厳粛さと対比させる意図があるのだろうか、だとしても余りに女性蔑視の低俗な見世物に貶めた有り様に死の尊厳は感じ得ない。カリントン・フランス落語。

2022/08/07

翠埜もぐら

「ひとさらい」「死の劇場」以外創元推理文庫で既読。「ひとさらい」のジュール・シュペルヴィエルは澁澤氏がコクトオの次に熱中した詩人だそうですが、話の方向がどんどん変わってしまい、煙に巻かれたというかあっけにとられたというか。氏のエッセイは明快なのに小説は難解だったのは、思考がこちらよりだったからなのかと思いました。ところで「暗黒怪奇短篇集」だそうですが、どの話も人を食った話で「暗黒」ではありましたが、どの辺が「怪奇」だったのかしら。渋澤氏の好きな怪奇小説って癖が強すぎ。さすがマルキ・ド・サドの研究者。

2022/05/03

阿部義彦

マイ本屋で河出書房新社の在庫僅少文庫本フェアをやっていたので。どれもフランスの短編小説です。澁澤龍彦さんの眼鏡にかなったものだけに、どれも夢中になって読みました。良かったのは「罪の中の幸福」「ひとさらい」の二篇です。その中から心に残った警句。『男というのはいづれ似たようなものだ。毛色の変わったものは気に食わず、癪の種だが、それがスカートをはいてさえすれば、夢中になるのだ。男をすることをする女は、どんなに下手でもちょんでも、必ずフランスでは男以上の成功を博するにきまっているのだ。』

2024/05/05

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