藤子不二雄論: FとAの方程式 (河出文庫)
藤子不二雄論: FとAの方程式 (河出文庫) / 感想・レビュー
本木英朗
日本の現代漫画評論家のひとりである、米沢嘉博の長編のひとつである。藤子不二雄――。「ドラえもん」「忍者ハットリくん」など数々の名作を生み出してきた「二人で一人の漫画家」は、1987年にコンビを解消。FとⒶとして新たなまんが道を歩き始めた――という話から始まる。うーん、さすがは漫画評論家!というところだろうか。FもⒶも、共に去ってしまった感じだしねえ。まあ、そのまんが評論家も、2006年に死んでしまったのがまただと思うけれど。よかったです、はい。また読もうと思う。
2022/10/10
akihiko810/アカウント移行中
藤子不二雄(FとA)の作品を、年代順に考察。印象度B+ 藤子作品は、Fの短編とAの「まんが道」をちまちま読んでるくらいだが、まんが道が滅法面白いので読んでみた。「まんが道」で描かれている、初期の合作漫画って、今は復刻されてないことをはじめて知った。手塚マンガがほぼ全部復刊されてるのとは違うんだなー。藤子AはFと比べて評価が小さいが、二人とも偉大な仕事をしてるのだとわかった
2021/09/13
とし
軽い本かと思いきや本格的な藤子不二雄論。マンガ評論家である米沢さんが書いたので、ややマニアックでありながら面白かったです。ドラえもん、忍者ハットリくん、オバQ、怪物くん等、小学生時代に馴染みのある作品を世に出した藤子不二雄。国民的なマンガ家であり続けるには、時代の流れなどあり苦悩が描かれていました。2人で藤子不二雄でしたが、80年代末にコンビ解消しそれぞれの道をあゆみました。作風やマンガの根底にある哲学についてのFとAの違いを対比させて書いてあるところが面白かったです。また巻末の総合リストも良かったです。
2016/01/03
てら
安孫子素雄(藤子不二雄A)先生の訃報に親が亡くなったようなショックを受け、なぜだろうと考えると、A先生が生きている限り、藤本弘(藤子・F・不二雄)先生も生きていたからだと思い当たった。コンビの漫画家は他にもいるが、この二人ほど、長いあいだ第一線で多くの読者を獲得し続けたコンビは無いと思う。しかし、著者が指摘するように、本格的な評論が書かれたことは無い。単に「光のF・影のA」というような図式ではなく、二人の資質の細かな差異から作品と時代を分析・総括した貴重かつ重要な一冊。
2022/05/09
スプリント
藤子不二雄の作品歴を知りたかったので最適でした。著者の藤子不二雄論も説得力があります。漫画好きで稀代の名コンビではありますが、作風がまったく違う二人が名作を次から次へと生み出したことは奇跡だと思います。
2019/06/30
感想・レビューをもっと見る