NOVA+ バベル: 書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)
NOVA+ バベル: 書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫) / 感想・レビュー
みっちゃん
よくこんな事を考えつくなあ、と驚くばかりの8編。一番度肝を抜かれたのは酉島伝法の作品。140本の足を生やした太陽が大地を歩いて巡る世界。その足は何と!異様でグロテスクなのに、何だか美しくも感じてしまって、この幻想的な世界に惹き付けられてしまった。以前、最初の数頁で挫折してしまった【皆勤の徒】にもう1回挑戦したくなってきた。
2015/06/07
亮人
祝《NOVA》復活!!国産SFの最前線を牽引する文系SFオールスター大集合!まず野崎まどが、まんま『野崎まど劇場』で大笑い!月村了衛は長篇未読だが、この世界観は長篇で堪能せねば。藤井太洋は、ドライヴ感のある時間SFで好き。白眉は、長谷敏司と円城塔。イスラム世界の明暗を3Dプリンタ&ビッグデータ&ファストファッションという流行のツールで料理した中篇の長谷敏司、ビッグクランチによる世界の終焉を巧みな仕掛けで小品にまとめた円城塔、どちらも甲乙つけ難い読み応え充分で大満足!!
2014/10/11
そふぃあ
酉島伝法の新作長編『奏で手のヌフレツン』が出たので、前身となる同名短編の載った本書を積読から引っ張り出してきた。執筆陣がとても豪華。宮内悠介「スペース珊瑚礁」は笑えて最後もギャグ落ちで面白かった。このシリーズは以前どこかで読んだ「スペース金融道」も面白く、2024.3に文庫短篇集が出るらしいので楽しみ。短編版「奏で手のヌフレツン」については長編版の感想(コメント欄)で触れようと思う。
2023/12/31
きき
ボリューム満点、密度濃い目のSF短編集。全体を通し、科学を突き動かすのは恐怖やストレスといった人の心なのだなと感じた。アンソロジーということでバラエティに富んだ様々な世界観の作品に触れられたのも刺激的。表題作「バベル」は技術の進歩と宗教問題を織り交ぜ、"正義"という単語の足元の弱さと脆さを突きつけており印象的だった。野崎まど「第五の地平」は相変わらず突拍子も無い切り口の世界観で唯々感服。真剣なアホ、は素晴らしい(褒めてる)。最後の円城塔「φ」は言葉で宇宙を見せる、という印象の作品で自分の嗜好に刺さった。
2020/05/07
相楽(twitter:sagara1)
粗っぽくなるけど、とりあえず感想出してみる。「年間傑作選ですか?」「いいえ、全て完全新作です」。個人的にはなんといっても表題作!だけど、野﨑まど作品もこれが電撃文庫向けでなく、NOVAに放り込む『野﨑まど劇場』だ!というトンデモな衝撃作だったし、他も揃って作者名からの期待値更に越えて来た感じで。以下、それぞれ感想。 当初、素直に掲載順に読むつもりだった。で、序文からいい感じだな、宮部みゆき「戦闘員」は現代の市井に生きる庶民感覚から地続きに繋がるSFでこれまでのNOVA掲載作で一番好きだな(コメント欄に続き
2014/10/04
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