天皇と日本国憲法:反戦と抵抗のための文化論 (河出文庫)
天皇と日本国憲法:反戦と抵抗のための文化論 (河出文庫) / 感想・レビュー
浅香山三郎
なかにし礼さんの半生は、かつてドラマ化されたことがあり、それを見てゐたので、ある程度知つてゐた積もりだつた。本書はさういふ引き揚げ者として戦後を生き、また癌克服といふ体験を下敷きに、氏が思ひを綴つたもので、熱量を感じる作品である。本書のタイトルの『天皇と日本国憲法』も、本書に収録された1つのエッセイのタイトルでもあるのだが、本書のところどころに戦争を体験した世代として、安倍政権の姿勢や、自民党の改憲の動きに対する怒りと危惧が溢れてゐる。なかにしさんの芯の視点を知ることができ、興味深かつた。
2018/12/30
感想・レビューをもっと見る