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カメリ (河出文庫 き 6-3)

カメリ (河出文庫 き 6-3)

カメリ (河出文庫 き 6-3)

作家
北野勇作
出版社
河出書房新社
発売日
2016-06-07
ISBN
9784309414584
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カメリ (河出文庫 き 6-3) / 感想・レビュー

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とても面白かったです。カメでアメリだから、カメリかぁ。可愛い。ヒトのいなくなった世界で、ヒトデナシたちが集うカフェでの、マスターやヒトデナシたちの会話がふんわり哲学的に感じました。なんてことない会話で、するする読んでしまうのですが、よく感じてみたら深い。メトロで迷うお話で、ヒトデナシたちが、カヌレの型の形状の話をしていて、ここではないどこか、に、現場かな?と返してるのが可愛くてお気に入りです。未知との遭遇かな。カメリが作ったカヌレは不思議だったな。どのお話も、不思議でちょっと寂しくて可愛かったです。

2016/09/16

かわうそ

強い意志を持って前に進もうとするカメリの健気なキャラクターが、書割のような舞台設定から醸し出されるどことない寂しさを増幅してなんとも不思議な読み心地。そして今回もしっかりとSFしているのが素晴らしい。

2016/06/25

niisun

大好きな作品『かめくん』と同じく、“模造亀(レプリカメ)”が主人公ということで読んでみました。相変わらず独特の世界観で面白い!人のいなくなった世界に残されたアンドロイドと生き物たちの世界?はたまた、取り残されたアンドロイドたちが見ている夢の世界? 荒唐無稽な話のようであり、現世の真実を言い当ててしまったような話でもあり。「楽しくしている、ということと、楽しそうに見えるということに、何か違いはあるのか」など、禅問答のように繰り返される主人公カメリの問いが、少しずつ真理に近づいていくのが、非常に面白いですね♪

2017/01/29

ぜんこう

SFなんだけど何というかまぁこんなのもありだよあなぁ・・・終わり。いやいやこれだけじゃない。ヒトがいなくなった泥だらけの世界。シリコン頭のマスターのカフェで働く模造亀のカメリと泥用戦闘兵器(?)ヌートリアンの赤毛のアン。客はヒトデから作られたヒトデナシ。泥コーヒーに泥饅頭・・・どう考えても美味しさは感じられないが。 このカフェを中心にいろんな不思議なお話。この世界は何なんだ? 最後の話で「カメは夜更け過ぎに雪へと変わる」というので一人脳内で爆笑してました。 よくわからんけど北野勇作さん、やめられない。

2018/10/09

tosca

人間のいなくなった世界で暮らす模造亀(レプリカメ)のカメリ。ゆるい感じで続く話だけど、人間になれないヒトデナシという生き物や本物ではない模造亀の悲愴感や孤独みたいな事が描かれるんだろう、どこかで悲劇的な展開に変わるんだろうと思いながら読んでいた。でも、最後までゆるく掴み所のない、でも優しい話だった。森見登美彦の解説で妙に納得させられる。「模造亀としての生き物の諦念、ニセモノとしての諦念が物語に優しさを与えている」と。随所に挿まれる駄洒落?が気に入って幾度となく軽い笑いを誘われた。

2022/05/30

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