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スタッキング可能 (河出文庫 ま 16-1)

スタッキング可能 (河出文庫 ま 16-1)

スタッキング可能 (河出文庫 ま 16-1)

作家
松田青子
出版社
河出書房新社
発売日
2016-08-05
ISBN
9784309414690
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スタッキング可能 (河出文庫 ま 16-1) / 感想・レビュー

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papako

表紙が気になって。芥川賞っぽいお話かしら。あまりはまらず。ところどころは面白く感じるかも?という瞬間はありました。表題作は、あるオフィスで働く人達のつれづれですが、記号化するためなのかアルファベット表記の名前に混乱して、共感できない。人の名前とか人称を混乱させて、何かを伝えたいのかも知れませんが、私には混乱しかありませんでした。しかも、ディスる内容にも共感できず。そっか、共感を求められてないんですね。ちょっと残念。おばあちゃん愛用の『ちふれ』が全国地域婦人団体連絡協議会って知らなかった!

2019/08/31

アマニョッキ

面白い、と単純に思う。だけど「うまいこと書いてやろう」感とか「私いいとこに目つけてるでしょ」感がところどころに見え隠れしてしまっているので、損しているなとも思う。カマトト女子ディスりながらも「彼氏ほしい!」って言っちゃう大野公子の話が一番好き。けっこうフェミニズム論振りかざしているので、これ○嶋○子先生とかに言われたら恐ろしいだろうなとか思いながら読む。松田青子さんが若くて美人で本当によかった。

2017/10/18

syaori

短編集。表題作はオフィスビルを舞台にした群像劇で、A田、B田といった、「みんな同じ」人たちの「みんな同じ」なそれぞれの職場での出来事を重ねてゆくスタイル。そのなかで彼らは、誰も本当の自分を見ないと思いながら、「馬鹿じゃねえのおまえらって」思いながら、「おまえら」に合わせながら生きているのだということが軽やかに描かれます。最後は、そんな一見同じ形の、スタッキング(積み重ね)可能な人々の、そんな思いの積み重ねが時代を変えてきたしこれからもそうなのだという作者の思いがほの見えて、少し励まされました。

2020/08/31

siro

初めはAやらBやら読みにくいなぁと思ったけど、すぐに気にしなくても問題ないと判明。自分でもどう表現したらいいのか困惑するような、誰かに聞いてもらわなくてもいいほどの心に引っ掛かったモヤっとした気持ち。それがまさにぴったりな言葉で表現されている。それだよ!とぴしゃりと膝を打ちたくなる言葉が何度か出てきた。面白かった。好きだな。

2018/01/19

翔亀

松田青子は戦っている。C川、C木、C村という女性社員が表面的にはうまく会社に合わせているが底に抱えている違和感も、A山、A田という男性社員の会社との同一化も、AやCという記号を使うだけで結局は会社では交換可能な歯車(この表題作ではポストイット)に過ぎないことを表現しているのだろうし、「もうすぐ結婚する女」では複数の女性をそう呼ぶことで読者を混乱に陥れるが(男も混じっているような?)、これも固有名を使わないことで女が結婚することの常識に反抗しているのだろう。前衛的な技法による社会の常識への戦いに違いない↓

2017/01/05

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