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若冲 (河出文庫)

若冲 (河出文庫)

若冲 (河出文庫)

作家
澁澤龍彦
出版社
河出書房新社
発売日
2016-11-05
ISBN
9784309414898
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若冲 (河出文庫) / 感想・レビュー

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starbro

[若冲×澁澤龍彦]で売ろうという河出書房新社の戦略はバレバレですが、充実の執筆陣で内容は盛り沢山、興味深く読みました。残念ながら澁澤龍彦の文章はチョッピシです。圧巻は、種村季弘の「伊藤若冲-物好きの集合論-」で大若冲を幼児性性格者だと言い切るところが見事です。ただ若冲初心者の私には、半分も理解出来ませんでした(苦笑)

2016/12/20

keroppi

若冲に関する論考やエッセイや小説が集められている。様々なアプローチがあるが、若冲の作品に会いにアメリカのオクラホマを訪れたり、サボテンを描いた日本人は若冲が最初だと論じたり、謎多き若冲だからこそ、色々と探究してみたくなるのだろう。唯一の小説が澤田ふじ子「若冲灯籠」。「石灯籠図屏風」にまつわる悲劇を描く。あらためて絵を見ると、また違って見えてくる。

2023/08/07

HANA

京都で若冲展を見に行く道すがら読んだので、実にタイムリー。内容は若冲に対する評論や随筆のアンソロジー。個人の想いを綴ったものから西洋美術との対比等、各著者の特質が現れた面白い本だと思った。ただ若冲本人の生涯やマニエリスムとの関連等が中心となっており、実際の絵画に対する記述は少な目な為、絵に興味を持つ者にとってはいささか隔靴掻痒に感じる部分があるかもしれない。個人的にはあまり知らなかった若冲本人のエピソードが盛り込まれていた為、その部分は面白く読めたけど。しかし実際の物を前にすると、ただただ圧倒されるなあ。

2016/11/29

ホークス

伊藤若冲についての評論十六篇と小説一篇。自分にはかなり難しい内容で、掴んだかと思うとまた分からなくなる。由良君美氏の「リアリズムが己れの視点に徹底するときに自然に産みだす幻想性」と言う言葉がしっくり来た。世の中のフィルターを排除して、とことん対象に入り込んだ結果、超越的な世界に至る。その際立って鮮やかな幻想世界を、我々は作品を通して垣間見る感じではないか。若冲の美しさは分かりやすく、しかし改めて見ると何も分かっていない気持ちになる。だから何度でも見たくなる。

2017/05/26

さっちも

国立博物館の禅画展で竹林の襖絵を見て以来、ずっと気になっていたが知ろうとしなかった若冲。静謐で孤絶が深い、内省的でいながら、いくらでも多弁に語りかけてくるような絵だった。相国寺の美術館で観たのは趣きが違っていて、物体を深く問い、その物体がもつ、迫真のリアリズムを追求するといって良いのか、執念にもにた執拗な「問い」に戸惑った。ミステリアスに感じる画風に解を得たくて、買ったものの、謎は深まるばかり。若冲を知るとっかかりとしては良かった。17人の執筆による若冲論なので、楽しく読めた論客の若冲本を今後集めたい。

2019/01/21

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