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過酷なるニーチェ (河出文庫 な 24-2)

過酷なるニーチェ (河出文庫 な 24-2)

過酷なるニーチェ (河出文庫 な 24-2)

作家
中島義道
出版社
河出書房新社
発売日
2016-11-08
ISBN
9784309414904
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過酷なるニーチェ (河出文庫 な 24-2) / 感想・レビュー

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harass

著者の主催する私塾でのニーチェ講義を元にした解説書。実に挑発的で、戸惑いを感じるが、無害な人生訓のように消費されるニーチェ本への反発があり、元々の猛毒さを盛り込んだ内容。この著者のエグミも含まれているのは確か。だがプロパーでもなく、一般の読書人にとって、思想というものの凄みの断片を感じさせてくれる良い(悪い=心地よくない)本だ。おすすめ。

2017/02/20

テツ

人間を突き動かす原動力は怒り。ニーチェの哲学も怒りに満ち満ちている。その怒りの端々だけを拾い集めたところで(世に氾濫するニーチェ語録のような)決して身体の中で激しく渦巻く全てを理解することは出来ない。あたりまえのことなんだけれど哲学者に限らず他者を理解することって絶望的に困難なことだなあと思い知らされる。理解したと勘違いすることは容易いけどね。つまり自分自身も自身が積み上げた思想も基本的には他者になんて通じる筈がないと覚悟して生きるべきなんだろうな。自分と他人との間には決して埋まらない隔たりがある。

2017/11/04

シン

実に面白かった。 中島節によるニーチェ講義(ほぼツゥラトゥストラ)の楽しいこと楽しいこと(はじめにだけでも立ち読みしてもらえれば中島氏の人となりはわかるはず)。 まだまだ自分はダメだなと叱られた気持ちになるから不思議である。 「なぜ、あえて『最も深い苦痛を待望』するのか?ぐっと絞っていくと、それが『真理』だからであり、それを人間たちに知らせることが『誠実』だからである。それが、人間たちを幸福にするからではなく、強く誠実にするからである」

2017/02/03

呼戯人

カントの専門家によるニーチェ論。ニーチェのニヒリズムを焦点に分析を進めている。ニヒリズムの肌触りというか感触は、冷たく鋭い刃の光に似て、私たちの心を凍らせる。例えば、髙村薫の「冷血」に描かれた殺人犯の殺伐とした心象風景と同じように。郊外の殺伐とした工場地帯のように何の感情的起伏ももたらさないような心の風景を連想させる。しかし、ニーチェの言うニヒリズムとはプラトンやキリスト教のような現世を否定し、ありもしないイデアの世界や天国を信仰するもののことを言うのである。

2016/11/26

lily

著者とニーチェは相性が良い。ニーチェの怒りをみずからの怒りとして引き受けることができるから。残酷な真実だけが収穫だ。流行の薄いニーチェ解説本や名言集に騙されないように。

2019/04/22

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