神さまってなに? (河出文庫 も 8-2)
神さまってなに? (河出文庫 も 8-2) / 感想・レビュー
阿部義彦
河出文庫新刊です。著者はドキュメンタリー映画監督兼著作家の森達也さんです。人が避けて通りたがる事ばかり、話題にする因果者です。過去に扱った題材は、放送禁止歌、オカルト、死刑、オウム真理教の映画、最新映画は佐村河内守事件を取り上げてます。今回のテーマは宗教です。今回は今までの作風とは少し違って小説みたいな物語寄りとなってます。世界三大宗教の概要がわかり易くそしてその意味するところを森流に解釈してます。読み終わると今までとは違う自分がいました。神なんて脳味噌の作った杖の様なものと思ってましたが、、解説も良い。
2017/02/19
うがり
オウムを追っていた森さんが書く「神様」が気になり読んでみた。日本はよく無宗教だと言われるが、それがどうしてかということが何となくわかったような気がする。日本の国民性によって独自の宗教が生まれたか、独自の宗教が日本の国民性を作ったのかは分からないけど、少なくとも自分たちの生活に宗教や神様は関わっているということはわかった。異端やカルトと言って否定しているけど、まだ何にも本質を分かっていた自分たちがその存在を否定するのは違うし、知らぬ顔ってわけにはいかないんだと思う。少なくとも知ることがかなり大事なのだ。
2017/02/23
活字スキー
オウム真理教信者に密着したドキュメント映画で知られる森氏が、河出書房『14歳の世渡り術』シリーズのひとつとして若者に向けて「神とは、宗教とはいかなる存在か」を、世界三大宗教を軸として平易な言葉で熱く静かに語る。なぜ人は宗教を求めるのか。宗教は、それを信じる者/信じない者や社会にどのような影響を及ぼしてきたのか。混迷を極める現代社会を生きてゆくためには、神・宗教という観点を避けては通れない。古今東西、宗教が様々な悲劇に関わってきた事は少なくない。しかしそれでも、求める人がいる限り宗教は無くならない。
2017/03/03
A Y
題名がまさに今の私の考察中の命題。地元の本屋のセレクトショップで見つけた。宗教の知識を広く得ることが出来た。すごく読み易い。神は人に通常の何倍もの力を与える。信仰深い人々は平和や幸福や感動を創る一方で神の名のもとに残虐に殺し合う。意味が分からない。人の欲を満たす道具にされている?神様との距離感を考えるの大事かも。日本は世界でも珍しく宗教色の薄い。だからこそ世界に訴えられる事があるのではないか?「薄くなった」のには理由がある。そこにヒントが…?もっと知識が要る!もっと知らなければ…。★★★★★☆
2017/09/30
生活相談屋
森さんが小中学生向けに書いた宗教に関する短いエッセイ。子供向けの本だから、語られる言葉はとても優しい。ここに森さんの人生を貫く誠実さが端的に表れている。内容は世界宗教と呼ばれる仏教・キリスト教・イスラム教についての簡単な解説と、それらに共通する「神」の概念を紐解くもの。そしてそれら宗教が人類にとってどんな意味を持ってきたかを一緒に悩みながら考えていく。森さんがわからないというとき、そこにはとても強い願いが込められている。それは大袈裟ではなく「世界中の人々が、皆幸せでありますように」という願いである。
2017/06/27
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