偏愛小説集 あなたを奪うの。 (河出文庫 く)
偏愛小説集 あなたを奪うの。 (河出文庫 く) / 感想・レビュー
いつでも母さん
豪華5人の女性作家による偏愛小説。この顔ぶれだものぞくぞくする。タイトルもそそられるでしょ?女は老いても、あの愛し愛された記憶だけで生きられるのよ。また、情というだけでは生きられない生々しい性を持つ生き物でもあるの。この齢になるとかけひきは疲れる・・けれど、あの感覚は忘れないのも女なの。あなたは奪う方?奪われる方?男と女だけじゃない。誰と何と争う?
2019/01/29
青蓮
窪美澄、千早茜、彩瀬まる、花房観音、宮木あや子がおくる「略奪愛」をテーマにした恋愛小説。花房さんの「それからのこと」は他の本で既読でしたが、今回も楽しく読みました。千早さんの「夏のうらはら」はちょっとピンと来なかったのですが(ごめんなさい)どの物語も「女性って自分が思っている以上に強かだなぁ」と言う印象が残りました。お気に入りは、戦時下での略奪愛を描いた窪さんの「朧月夜のスーヴェニア」。彼女の作品は初めて読んだのですが、他にも色々読んでみたくなりました。官能度No.1はやっぱり花房さんかな。断トツです。
2017/03/13
じいじ
5人のそうそうたる書き手による偏愛短篇集。こちら『きみのために棘を生やすの』の単行本が面白かったので再読。ディテールは6年も経ったら、あらかた忘却の彼方でした。面白い本は、何度読んでも面白いですよ。今回は、窪美澄の作品が衝撃的だった。昭和16年代の戦争に明け暮れる昏い時代の恋愛事情の話。何と言おうと、私的には花房さんの漱石の「それから」を底本に書かれた【それからのこと】が断然好い。二人の男の狭間で揺れ動く女心・女の強かさと男の欲情が描かれている。恋愛、性愛小説に長けた作家らのアンソロジーだから面白い。
2021/02/13
りゅう☆
許嫁が戦争で不在時に心も身体も医学生に奪われた窪美澄さん。処女を奪った友人の恋人との再会に関わる深さを感じた千早茜さん。小鳥とかわいいを奪い合い、男関係が落ち着かない彩瀬まるさん。男に愛され求められたい欲望が溢れまくる花房観音さん。若くて無垢、知ってしまった快楽に溺れる男の子に罪な女の宮木あや子さん。『きみのために棘を生やすの』改題。読友さんの「期待ハズレ」に興味そそられたけど、うん、納得。5人共大好きな作家さん。でもどれも物足りない。短編だから?モヤッとするラストだから?官能シーンが抑え気味だから?笑
2021/04/29
ユザキ部長
女性向きだよな。自分が読んじゃいけないな。なんて思いながらサラっと全部読んじゃいました。女の人のからだ全身で感じるエロは男にはないな。サラっと(笑)
2019/08/24
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