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恋する原発 (河出文庫 た 10-4)

恋する原発 (河出文庫 た 10-4)

恋する原発 (河出文庫 た 10-4)

作家
高橋源一郎
出版社
河出書房新社
発売日
2017-03-07
ISBN
9784309415192
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恋する原発 (河出文庫 た 10-4) / 感想・レビュー

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ケー

全く意味がわからない。意味のわからない音を発してパンクロックをかき鳴らし、そこから出てきた音を言葉にしてただ衝動のままに書き連ねたような‥‥その衝動が戦っているの世界の理不尽。理不尽に対抗できるのは、理不尽。読んで何かを得るようなものではないし、一つ一つの描写や表現を不快に感じる方も多いかと思う。これはなんなのか、と。オススメするような本ではない。でも強烈なインパクトはあります。それは確か。

2017/10/23

ちぇけら

震災のチャリティー支援のAVを制作する男たちの奮闘記。「『恋するために生まれてきたの・大正生まれだけどいいですか?』の第一段、『稲元ヨネさん七十二歳・夫が戦死してから五十年ぶりのセックスなんです、冥土の土産にしたかった』」なんてニッチなAVのタイトルで笑転げた。が、ニッチにならざるを得ない世界が、ここにはある。震災や原発を通して言葉というものについて考えさせられる。源一郎さんの小説は訳わかんないけど、そのわからなさの底に、ほんとうに大切なものがある。この小説の「ヒドさ」に、必要なものが確実に存在している。

2017/06/01

阿部義彦

ぶっ飛び過ぎ!

2017/04/08

かみしの

つくづくと思うのは、震災はものの見え方・考え方(≒思想)にも液状化現象を起こしているのでは、ということ。もともと存在していた水が表面化する。ポスト震災の震災にタグ付けされた作品が普遍的なことをも書いているようにうつるのは、震災をめぐる問いや思考は、顕在化した震災というテーゼに逆説的に隠された文化についてのそれとその実変わらないからだ。この作品は隠蔽されたものを見よ、という主題なのだけれど、問題は高橋源一郎の、特にこの作品を読む層は、おそらくそういうことへの感覚がもともと鋭敏であるということだ。

2017/05/21

猫丸

湧き上がる怒りをそのまま叩きつけたところで、人々に伝わる言葉にはならない。高橋源一郎のとった戦略は「一切の奥行きを持たない平板なコトバ」を饒舌に垂れ流すことにより、虚無を前景に引っ張り出すこと。それほど現実は非現実的になってしまっている。どうすりゃいいのか? p.213「『順番』の問題がある」とは重大な指摘だ。「テロは許されるものではない。しかし、…」「生命の価値は自明の前提である。ただし、…」なる留保をつけた言説に軽々しく同調したくない。それは世間話ではあっても、思想の言葉にはなり得ないから。

2024/04/03

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