とむらい師たち: 野坂昭如ベスト・コレクション (河出文庫 の 6-1)
とむらい師たち: 野坂昭如ベスト・コレクション (河出文庫 の 6-1) / 感想・レビュー
ω
野坂昭如とは私の中で非常に興味深い憧れの作家さんであるω 顔は知らない。 少し年上の人たちに話をすると「大島渚をぶん殴った」とか「相当変わり者」とか言うのが不思議。 このベストコレクションは、愛のない肉欲の短編の数々と、表題作中編のとむらい師たち、死をビジネスにして一発当ててやろうと考える4人組の話。 ぷっω と吹かせておいて、ズコーーンと落としてくるとこ。ホント大好きです( ^ω^)
2018/08/26
SAT(M)
高度成長期に起こった母親による娘殺しの動機を、戦時期のある事件に求める「死児を育てる」、平和で豊かな時代と空襲にさらされた貧しい時代を、(おそらく意図的に)節操なく行ったり来たりさせて描いている点、昭和の二面性というのが筆者の主題の一つなのではないかと。表題作「とむらい師たち」もまた喜劇調ではありながら、戦時下にはゴロゴロところがっていたはずの「死」が、平和とともに遠いものとなりった時代へのアンチテーゼ的作品。「ぶっ壊れていて何が悪い!」と言わんばかりの野坂節が痛快です。
2017/08/05
えりんぎ
野坂昭如さんの初期の短編集。ぶっ飛んだお話が、じっとりとした湿度の高い文章で書かれる。人間って本当にしょうもない、でも野坂さんはそんな人間が好きなのかな。『死児を育てる』という話の、淡々と戦中戦後を語る雰囲気は、実際にあの時代を経験した人でないと書けないだろう。
2022/02/16
ナカユ〜、
だいたい既読なんだけど、こういう作風って今はどうなんだろう、僕は全然読めるんだけどなかなかねぇ、今では絶対言えない言い回しや、この感覚など、若い人たちは分からないだろうな、とか言いつつ僕が野坂昭如を読んでたのは20代w、分かる奴は分かるんだよな、
2021/11/02
ジャッカル
「マッチ売りの少女」が悲しくも切ない。少女はマッチなどは売らなかったけれども、何故「少女」としなければならなかったのかは、読者の解釈でいいと思うし、読み終えると含畜のあるタイトルなんだなと思う。ゴミ箱をひっくり返したような良作。
2021/09/05
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