エロスの解剖 (河出文庫)
エロスの解剖 (河出文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
タイトル通りにエロスをめぐるエッセイの数々。自由奔放に駆け巡る、いつもながらの澁澤節はここでも健在。ただし、今回登場するのは主にサルトルやバタイユ、フロイトといった面々。プラトンなども顔を見せはするが、書肆的な意味でのペダントリーの楽しみはやや薄いか。もっとも、その代わりに動物学者までが登場し、性が生殖と必ずしも不即不離の関係にはないことなどが語られる。読了してみると、納得することばかりで、このことが逆にもの足りなさを喚起するのであるのかも知れない。贅沢な注文だが、目からウロコの驚きが欲しいところ。
2018/12/06
長岡紅蓮
澁澤龍彦によるエロスについてのエッセイ。「コンプレックスについて」に出てくるコンプレックスが多彩。知らないコンプレックスばかりだった。「オナンの末裔たち」『月の王』に出てくる器械はまるでアダルトVR。やっと時代が追いついたか?(笑)
2020/01/13
sigismund
思想、哲学、芸術、さらには生物学に至るまで、幅広い知識を開陳してエロティシズムの本質に迫る一冊。アンドレ・ブルトンの『自由な結合』を解説した『愛の詩について』は澁澤大魔王の筆のノリ具合が大変によろしい。
2018/03/15
よいおいこらしょ
澁澤節がうなる博覧強記のエッセイ。性や神秘、精神分析について語る裏には、キリスト教上の神聖さや猥雑に隠れた官能の影があった
2021/05/01
サンジェルマン伯爵
エロス!!!をさまざまな切り口から分析してて面白い。個人的にはコンプレックスのくだりが興味深くて良かった。
2019/09/18
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