がらくた少女と人喰い煙突 (河出文庫 や 38-1)
がらくた少女と人喰い煙突 (河出文庫 や 38-1) / 感想・レビュー
夢追人009
矢樹純さんの第2作目で、窃視症探偵・桜木静流シリーズの第2弾ですね。本書は自費出版の電子書籍から後に文庫化された作品でして、私は「本は紙派」ですので著者のまだ残っている電子書籍の書籍出版を望みますね。今回は舞台を東北・青森から岡山県の架空の島に移してハンセン病を基にした赤痣病の療養施設で起きる連続殺人事件の謎解きミステリーですね。あらゆる所から捨てられたガラクタを拾い集めて家に持ち帰る女子中学生・陶子に困った両親が心理カウンセラーの桜木に相談し強迫性貯蔵症と診断する。彼女は従姉のいる岡山県の狗島へ旅立つ。
2022/02/16
momi
表紙とタイトルからライトミステリーだと思って読み進めると…とんでもない!!登場人物の抱えてる心の問題や哀しい歴史が重く切なくのしかかります!島民以外の立ち入りが制限されている特殊な島での首なし殺人事件!強迫性貯蔵症の少女と心理カウンセラーが隠された島の謎を追う!!とても斬新な作品だと思う。タイトルも…あの煙突のことも…真相全てが新しい作風だと思います。ただ…ちょっと詰め込みすぎのような印象を受けました。この島で起きた哀しい歴史…本当に酷すぎます!!
2017/11/17
koma-inu
盗視症探偵・桜木と、がらくた集めが生きがいの少女・陶子、「普通じゃない」コンビが、陸の孤島の殺人事件に挑む。煙突で起きた首無し殺人のホラー感は素晴らしく、人も事件も謎めいてます。ラスト100頁弱の解決編、特に首無しの理由は、まさかの・・うん、設定を上手く使ってます。エピローグの、陶子のカミングアウトは更に驚愕。作中、伏線はあったのでしょうか〜。普通とは何か?を少し考えさせられる、幕引きも印象的。著者渾身ビター味の「マザー・マーダー」とはまた異なる、感動本格ミステリです。
2022/12/29
うまる
盗視症探偵ふたたび。今度は孤島もの&相方が強迫性貯蔵症!今回も結構盛り沢山ですが、主人公がしっかりしてる分スッキリした感じ。短編で味わえた驚きが、長編では連続して起きる形で、飽きずに楽しめます。ミステリ定番の顔のない死体が、結構意外な処理で好きなポイント。終盤までの人物描写や島の話が良くできているため、哀しい真相がとても深く感じられます。生き辛い人間の心理描写と、その癖を活かした展開も素晴らしいです。事件の真相解明をした上で、相方の癖を治す探偵というのも凄いと思う。またこのシリーズ書いて欲しいな。
2021/09/30
鬼灯の金魚草
読友さんのレビューで知る。お初の作家さんでした。この島のモデルがあると聞き、やはり悲しい歴史と辛い思いをされた方々がいるという事を改めて認識する。どの登場人物にもあまり移入出来なかったものの院長はじめお国のやり方には憤慨してしまう。こんな事二度と起こらないよう願いたい。特に手術の部分はね、頭かっちーん!
2018/01/19
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